英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第26回 日本受精着床学会総会・学術講演会

  • Sperm Motility Index(SMI)によるsplit ICSIの適応基準
  • 平成20年8月28日~29日 福岡国際会議場
  • 第26回 日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 北風 桃子、後藤 栄、橋本 洋美、松永 雅美、苔口 昭次、塩谷 雅英
    英ウィメンズクリニック

【発表の概要】

【目的】以前我々はsplit ICSIの適応基準の検討を行い、原精液所見にて精子濃度2000万/ml未満又は精子運動率20%未満又は運動精子数1000万/ml未満の症例は split ICSIの対象となる事を報告した。しかしその後、split ICSI適応基準に該当せずIVFを行った症例の中に受精率が50%以下となってしまう症例が14.1%存在することが判明した。そこでSperm Quality Analyzer-V(SQA-V)を用いて測定したSMIをsplit ICSIの選択基準の項目に加える事が有用かどうかを後方視的に検討した。

【方法】従来のsplit ICSI適応基準を該当しなかったためIVFを施行した85症例を対象とした。SQA-Vを用いて原精液のSMIを測定し、原精液調整後媒精を施行した。原精液SMIを50未満(A群)、50以上100未満(B群)、100以上150未満(C群)、150以上200未満(D群)及び200以上(E群)の5 群に分類し、それらの受精率、分割率及び胚盤胞到達率によりsplit ICSIの適応基準を検討した。

【結果】受精率、受精卵あたりの分割率及び継続培養胚あたりの胚盤胞到達率はA群55.6%・90.0%・40.0%、B群86.5%・84.4%・56.4%C群 88.7%・87.7%・58.3%、D群93.1%・88.1%・76.9%、E群81.9%・97.0%・70.0%であった。受精率はA群が他群と比較し有意に低率であったが、B群、C群、D群及びE群の間では有意差は認めなかった。分割率はE群がB群、C群、D群と比較し有意に高かった。胚盤胞到達率は、各群間で有意差は認めなかった。

【結論】従来のsplit ICSIの適応基準に該当しない症例であっても、SMIが50未満であればIVFでの受精率は有意に低下する為、split ICSIを考慮すべきである事が示唆された。

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