英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

日本受精着床学会雑誌

  • 胚移植手技が生殖補助医療(Assisted reproductive technology: ART)の治療成績におよぼす影響についての検討
  • 24巻 第1号 2007年
  • 日本受精着床学会雑誌
  • 江口 素子、塩谷 雅英、橋本 洋美、泉 陽子、吉村 由香理、笠原 優子、渡部 純江、松永 雅美、姫野 清子、棚田 省三、苔口 昭次、高島 英世、後藤 栄

【要旨】

胚移植手技がAssisted reproductive technology(ART)の成績に及ぼす影響を調べることを目的とし①胚移植カテーテルの種類②移植所要時間③移植部位が妊娠率に与える影響について後方視的に検討した。①Mock transferが容易な症例で外筒付きカテーテル使用群をA群,移植カテーテルのみ使用群をB群とした。移植周期あたりの妊娠率はA群41.0% (16/39),B群60.7%(85/140)でありB群が有意(P=0.03)に高率であった。②胚を培養器から出し子宮腔内へ移植するまでに要した時間を使用カテーテル別に測定し,外筒付きカテーテル使用群をC群,移植カテーテルのみ使用群をD群とした。平均所要時間はC群158.9秒,D群 95.5秒でありC群が有意(P=0.0007)に長い時間を要したが両群共に所要時間の長短で妊娠率に有意差はみられなかった。③胚と共に子宮腔内に注入された気泡の位置から子宮底までの距離を測定した。気泡確認部位別の移植周期あたりの妊娠率は子宮底から7mmの位置で65.0%(26/40)と最も高かったが他の部位と有意差はみられなかった。以上よりMock transferが容易な症例に対する外筒付きカテーテルの有用性は認められなかった。移植所要時間は妊娠率に影響を与えないことが示唆され,移植部位は子宮底から7mm付近で妊娠率に高い傾向がみられた。

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