不妊治療の知識

5月のおはな

理事長コラム

理事長コラム

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

第98回 ERA (子宮内膜受容能検査)について(2017年4月)

受精卵を、複数回移植したにもかかわらず着床しない、反復着床障害の患者様のうち4人に1人は、移植のタイミングのずれが原因であると海外で報告されています。そこで最近注目されているのが、ERA-Endometrium Receptivity Analysisです。ERAは、子宮内膜の遺伝子発現を解析し、着床に最も適した時期を判定するための検査です。

検査の流れとしては、自然排卵周期あるいはホルモン補充周期に子宮内膜組織を採取し、海外の検査会社に送り、現地で解析が行われます。なお、組織採取の際はあまり痛みを伴わないため、麻酔は不要です。約3週間後に届く判定結果を受けて、受精卵を移植することにより、体外受精の成功率を上げることが期待されています。

現在、ERAを実施している国内の不妊治療施設は、当院を含めてもわずかですが、今後は、反復着床障害の患者様に対して、有効な検査として広まっていく可能性があると考えています。