英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第35回 関西アンドロロジーカンファレンス

  • 研究用過冷却装置『プロケプト』を用いた精子保存試験について
  • 平成19年10月20日 日本シェーリング株式会社 本社新館
  • 第35回 関西アンドロロジーカンファレンス
  • 古橋 孝祐、後藤 栄、松木 俊英、橋本 洋美、松永 雅美、苔口 昭次、塩谷 雅英
    英(はなぶさ)ウィメンズクリニック 
    石川 智基、藤澤 正人 
    神戸大学大学院医学系研究科腎泌尿器科分野 
    招 和暁
    メビックス株式会社

【発表の概要】

【目的】臓器を-5℃で不凍結な状態(過冷却状態)で保存できる過冷却装置「プロケプト」は移植医療領域で有用性が報告されている。そこで精子保存におけるプロケプトの有用性について検討した。

【方法】2007 年6~8月に60例(年齢35.3±5.1)の同意を得て射出精液を用い、同一症例の原精液(Co. 74.5±40.0×106/ml, Mo. 41.2±13.3%)を、常温保存(常温群)、冷蔵庫(4℃)保存(冷蔵群)、プロケプト保存(P群)に3等分し、精液保存開始後12、24、48、 72時間後に精子運動率をMAKLER計算盤で測定し、運動率の変化を変動ポイント(各測定時間の運動率から保存前の運動率を引き算した値)として検討した。精液保存に用いる溶液には〔実験1〕精液のみ、〔実験2〕精液とTEST Yolk Buffer(TYB)(グリセロール含)の等倍混合、〔実験3〕精液とTYB(グリセロール不含) の等倍混合の3種類を使用しそれぞれの変動ポイントを経時的に測定した。

【結果】〔実験1〕12時間においては常温群で運動率低下の下げ幅(-16.7±14.1)は冷蔵群(-28.9±12.4)、P群(-35.2±14.6)に比し有意に小さかった。24時間においては常温群(-27.5±12.9)がP群(-35.4±14.7)に比し、有意に小さかった。48, 72時間において有意差は認めなかった。〔実験2〕全ての時間において有意差を認めなかった。〔実験3〕全ての時間において冷蔵群がP群に比し、有意に運動率低下が小さかった。また24, 48, 72時間において冷蔵群は常温群に比し、有意に変動ポイントが小さかった。

【結論】精子保存においてプロケプトの有用性は認められなかった。

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