英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第49回日本不妊学会総会・学術講演会

  • トラベルビー技法を用いた長期不妊治療患者の心理的サポート
  • 平成16年9月2日~9月4日 旭川グランドホテル
  • 第49回日本不妊学会総会・学術講演会
  • 増田 直子、藤田 陽子、後藤 栄、加藤 由佳、橋本 洋美、泉 陽子、 吉村 由香理、坪内 美紀、笠原 優子、北川 勝、塩谷 雅英
    (英ウィメンズクリニック)

【発表の概要】

【目的】不妊患者は治療に対して不安感や失望感を有していることが少なくなく心理的サポートを必要とすることが多い。当院では心理的サポートの一つとしてトラベルビー技法を導入している。今回、同技法を用いて心理的サポートを行った不妊症例を経験したので報告する。

【方法】トラベルビー技法とは、患者との面談において(1)患者が話した語句を面談者が復唱する技法(2)面談者が「それであなたは・・・」などといったつなぎ
の語句を使うことにより患者が自由に答えられるように促す技法(3)面談者が患者に対して知覚した事を問いかけて患者の行動の意味を確かめる技法から成る。これらの技法を組み合わせて用い、患者の感情や思考の表出を試み、自己意志の確認、意志決定を導こうとする方法である。症例は38歳、不妊期間8年。これまでIVF-ETを9周期行うも妊娠に至らず、失望、不安、治療継続に対する迷い、所属サークルメンバーの妊娠などによる焦りを持つようになっていた。

【結果】トラベルビー技法を混じえて面談を試みた結果、患者は不妊治療を現時点で断念することは希望していないことがわかった。焦りを生じさせると感じていたサークルの活動も、患者にとっては生きがいであり、活動することが精神的に安定した状態をもたらしているという結論を自ら導き出した。そして今後は、過
大な期待をすることなく、サークルメンバー同士励ましあって治療に取り組んでいくという決定を行った。この患者は次周期のIVF-ETで妊娠に至り現在 経過良好である。

【結語】不妊患者自らが意志の確認および意志決定を行う上でトラベルビー技法は有用であることが示唆された。

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