英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第50回日本不妊学会総会・学術講演会

  • Testicular sperm extraction (TESE) - intracytoplasmic sperm injection (ICSI)症例の検討
  • 平成17年11月17日~18日 熊本ニュースカイホテル(熊本県)
  • 第50回日本不妊学会総会・学術講演会
  • 江口 素子、苔口 昭次、泉 陽子、橋本 洋美、吉村 由香理、坪内 美紀、笠原 優子、徳江 繭子、小森 江利子、渡部 純江、松永 雅美、姫野 清子、後藤 栄、塩谷 雅英、岡本 恭行*、岡田 弘**、藤澤 正人*** 
    英(はなぶさ)ウィメンズクリニック、 三聖病院泌尿器科*、
    帝京大学医学部泌尿器科**、神戸大学医学部泌尿器科***

【発表の概要】

【目的】 無精子症例であっても精巣より精子回収が可能であることが多く、ICSIを実施することで挙児が可能となっている。今回、過去4年間に施行したTESE症例について、精巣内精子の有無、TESE-ICSIによる受精率、妊娠率等について検討した。

【方法】 対象は夫が無精子症および重症精子無力症と診断され、患者夫婦の同意を得てTESEを施行した84組である。夫の平均年齢は34.9歳(23-70歳)、妻平均年齢は31.8歳(23-43歳)であった。閉塞性無精子症は27例、非閉塞性無精子症は57例であった。TESEによって採取した精巣組織は、ミンス後凍結保存し将来の治療に備えた。子宮内に胎嚢を確認出来た症例を妊娠例とした。

【成績】 精巣組織内に精子を確認できたのは、52例(61.9%)であった。閉塞性無精子症の27例では、全例(100%)に精巣内精子を確認でき、非閉塞性無精子症では57例中25例(43.9%)に精子を確認できた。精子を確認できた52例にはその後TESE-ICSIを実施し、30例(57.7%)に妊娠成立を得た。TESE-ICSIでの受精率は57.4%(507/883)、2~4細胞期への発生率は51.4%(454/883)であった。胚移植あたりの妊娠率は27.3%(27/99)、流産率は22.2%(6/27)であった。また、TESE-ICSI後に凍結保存した胚を融解移植した18例における、胚移植あたり妊娠率は27.8%(5/18)であり、流産率は0%(0/5)であった。 。

【結論】無精子症の患者において実施したTESEにより61.9%と高い確率で精巣内に精子を確認できた。TESE-ICSIの症例あたりの妊娠率は57.7%であり、TESE-ICSIは無精子症患者の治療として有効であることが確認された。

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