英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第27回 日本受精着床学会総会・学術講演会

  • Tilting Embryo Culture Systemを用いた揺動培養の培養成績の前方視的検討
  • 平成21年8月6日~8月7日 国立京都国際会館
  • 第27回 日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 米山雅子、後藤 栄、橋本洋美、松本由紀子、松永雅美、梅影秀史、苔口昭次、

    棚田省三、塩谷雅英


    英ウィメンズクリニック

【発表の概要】

【目的】生体内で胚は、卵管内腔の蠕動運動の中で圧縮やシェアーストレスなどのメカニカルストレスを受けながら子宮内腔に移動していると考えられている。一方、体外培養においては、メカニカルストレスを負荷できない環境である。そこでTilting Embryo Culture System:TECSを用いて胚にメカニカルストレスを与え、より卵管内の環境に近づけて培養することで培養成績が向上するかどうか検討を行った。

【方法】2008年7月~2009年1月に採卵を行った、既往採卵回数3回以上でかつ正常受精卵が4個以上得られた14症例、計96個の胚を対象とした。同一症例の前核期胚を無作為にTECSにて培養した群(揺動培養群)と通常培養をした群(静置培養群)の2群に分け、それぞれにおける培養成績を前方視的に比較検討した。培養条件は5.5%CO2、5%O2、89.5%N2、37℃、湿度100%で行い、揺動培養群は傾斜角5度、傾斜保持時間10分、角速度0.5度/秒に設定した。

【結果】揺動培養群と静置培養群で、それぞれ分割期胚あたりの良好胚率は68.8%(33/48)、62.5%(30/48)、継続培養胚あたりのDay5胚盤胞発生率は、52.8%(19/36)、47.5%(19/40)、Day5における良好胚盤胞率は47.4%(9/19)、47.4%(9/19)であり、各項目で有意差は認めなかった。また、14症例中、5症例では揺動培養胚の方が静置培養胚より継続培養胚あたりのDay5胚盤胞発生率が高率となったが、3症例では静置培養胚の方が高率となった。

【結論】本研究において、揺動培養における有意な培養成績の向上は認めなかった。揺動培養の設定条件を変えさらに検討を行いたい。

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