英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第54回 日本生殖医学会総会・学術講演会

  • IVF施行後3前核が見られた胚の染色体倍数性の解析
  • 平成21年11月22日~23日 石川県立音楽堂 ANA クラウンホテルプラザ金沢
  • 第54回 日本生殖医学会総会・学術講演会
  • 黒田泰史、後藤 栄、水田真平、橋本洋美、松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英


    英ウィメンズクリニック

【発表の概要】
【目的】IVF施行後の受精判定の際に前核を3個認める胚(以下IVF 3PN胚)がある。IVF 3PN胚の発生原因としては、主に多精子受精が考えられ、染色体の倍数性異常をきたすことになるため移植の対象にできない。また精子の中心体が2個存在するため、3極の紡錘体が生じることによりモザイクが発生しやすくなると考えられる。そこで今回、IVF 3PN胚の染色体の解析を行い、倍数性に関して検討を行った。
【方法】媒精後約18時間後に3個の前核が確認された、廃棄予定胚において、患者の同意が得られたDay2胚またはDay3胚10個を対象とした。胚はプロテアーゼを用いて透明帯を完全に溶解した後、ディスペンサー固定法により固定を行った。解析はFISH法にて行い、probeにはVysis社のCEP 18/X/Yを用いた。
【結果】18番染色体数を観察した結果、2nが20.0%(2/10)、3nが10.0%(1/10)、2nと3nのモザイクが40.0%(4/10)、nと2nのモザイクが10.0%(1/10)、無秩序なモザイクが20.0%(2/10)であった。性染色体数を観察した結果、2nと3nのモザイクが10.0%(1/10)、無秩序なモザイクが90.0%(9/10)であった。観察した全割球55個のうち18番染色体と性染色体の倍数性が一致したものは23個(41.8%)であった。
【考察】今回観察を行ったIVF 3PN胚は全て染色体数的異常胚であった。18番染色体と比較して、性染色体ではより無秩序な分離が認められ、割球ごとに異なるパターンで性染色体が観察された。また、全割球のうち18番染色体と性染色体の倍数性が一致したものは41.8%と低率であった。以上のことより、IVF 3PN胚では、多精子受精により3極の紡錘体が生じ、染色体の分離異常が起こる結果、モザイクが発生しやすくなることが示唆された。

 

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