英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第28回 日本受精着床学会総会・学術講演会

  • ヒト胚培養液内からのlysophosphatidic acids(LPAs)の検出
  • 平成22年7月28日~29日 パシフィコ横浜
  • 第28回 日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 後藤 栄、清水光男、門脇 崇、泉 陽子、橋本 洋美、苔口 昭次、塩谷 雅英




    英ウィメンズクリニック


    日本ケミカルリサーチ株式会社


    滋賀医科大学保健福祉学科

【目的】
胚と子宮内膜のクロストークは着床成立に必要な事象であり、近年、子宮内に発現するLysophosphatidic acid receptor 3(LPA3)が受精卵の着床に重要な役割を果たしていることが明らかとなってきた。本研究ではヒト胚培養液を分析することによって胚がLPA3のリガンドとなるlysophosphatidic acids(LPAs)を産生しているかどうかを検討した。

【方法】
初期胚から胚盤胞まで培養を行い、胚盤胞まで発生した合計188個(45症例)の胚を培養した合計2,590μl(BlastAssist System 2)を分析した。各症例の胚を移植後、廃棄予定となった胚培養液をプールし、測定までマイナス20℃で凍結保存してLPAsの分析に供した。培養液中のLPAsはby Bligh-Dyer法で抽出した。抽出されたLPAsはtrimethylsilyl 誘導体に変換され、ガスクロマトグラフィー/質量分析法にて測定された。

【成績】
LPA-C16:0, 16:1, 18:0, 18:1 , 18:2が胚培養液中に検出された。標準化LPAとの比較より、培養液中の濃度はLPA-C16:0は7.0 nmol/ml, LPA-C16:1は0.2 nmol/ml, LPA-C 18:0は1.0 nmol/ml, LPA-C18:1は2.6 nmol/ml , LPA-C18:2は2.9 nmol/mlと計算された。

【結論】
ヒト胚を初期胚から胚盤胞まで培養した培養液中に、胚と子宮内膜のクロストークに関与する胚由来因子と考えられるLPA-C16:0, 16:1, 18:0, 18:1 , 18:2が初めて検出された。

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