英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第56回 日本生殖医学会学術講演会・総会

  • 無加湿型培養器における培養成績の検討
  • 平成23年12月8日(木)、9日(金) パシフィコ横浜
  • 第56回 日本生殖医学会学術講演会・総会
  • 後藤優介、片岡信彦、橋本洋美、山田聡、緒方誠司、

    水澤友利、松本由紀子、岡本恵理、苔口昭次、野田洋一

    塩谷雅英




    英ウィメンズクリニック

【発表の概要】

【目的】近年、無加湿型培養器における培養成績が、加湿型培養器と比較し差がないという報告が散見される。これまでの加湿型培養器は、庫内の湿度飽和状態という環境からカビなどの菌類が発生しやすいなどのデメリットがあり、清掃や加湿用の滅菌水の補給などの維持管理に多くの労力が必要とされているのが現状である。一方、無加湿型培養器は加湿の必要がないことから、菌類の発生を抑制でき、維持管理にかかる労力を軽減できると考えられる。そこで、今回我々は、当院における無加湿型培養器の培養成績を検討したので報告する。

【対象】2011年5月から6月に採卵した症例のうち当院採卵初回かつ、IVFもしくはICSIを施行し正常受精卵が4個以上確認できた症例、38症例、277個の胚を対象とした。

【方法】採卵後1日目に正常受精が確認できた胚を加湿型培養器(以下加湿群:APM-30D ASTEC社) と無加湿培養器(以下ドライ群:EZ culture ASTEC社)の2群に均等に分け、分割率、良好分割率、胚盤胞発生率、良好胚盤胞発生率(Gardner分類グレード3BB以上)を比較した。

【結果】加湿群とドライ群で分割率は、96.4%(133/138) と97.8%(136/139)、良好分割率は、69.2%(92/133) と64.0%(87/136)、胚盤胞発生率は、65.1%(69/106) と65.7%(67/102)、良好胚盤胞発生率は、46.4%(32/69) と31.3%(21/67)となり各項目において有意差は認めなかった。【考察】今回の検討から、加湿群とドライ群で培養成績に有意差は認めなかったが、良好胚盤胞発生率において、ドライ群が加湿群と比較し低率な傾向となった。今後、妊娠成績も含め、更なる検討が必要と考えられた。
 

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