英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

日本受精着床学会雑誌

  • 一般不妊治療において排卵誘発―選択的卵胞減数術を施行し、妊娠に至った3症例の検討
  • 号32巻 第2号 2015年
  • 日本受精着床学会雑誌
  • 緒方誠司、緒方洋美、松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英


    英ウィメンズクリニック

要旨
一般不妊治療における排卵誘発治療後の多胎妊娠およびOHSS重症化予防の一方法として、選択的卵胞減数術を適用し、その周期で妊娠に至った3症例を経験した。症例1)30歳、0回経妊0回経産。低ゴナドトロピン性卵巣機能不全の診断にて、hMGの連日投与を行ったところ、複数卵胞の発育を認めた。選択的卵胞減数術およびタイミング指導でOHSSの発症なく単胎妊娠に至り、妊娠40週で健常女児を経腟分娩した。症例2)33歳、1回経妊1回経産。PCOSの診断にて遺伝子組み換えFSH製剤(rFSH)を連日投与したところ、複数卵胞の発育を認めたため、選択的卵胞減数術およびAIHを施行した。単胎妊娠に至り、中等度OHSSの発症のみで経過し、妊娠11週に産科施設へと紹介となった。症例3)27歳、2回経妊0回経産2回流産。頸管無力症既往歴あり。PCOSの診断にてrFSHを連日投与、結果として多数卵胞発育を認めたため、タイミング指導のうえ選択的卵胞減数術を施行した。その周期で単胎妊娠に至り、軽度OHSSの発症のみで妊娠6週に産科施設へ紹介、転院となった。選択的卵胞減数術は、ARTにおける採卵に準じた手技で、比較的簡便に施行することができる。我々の経験より、排卵誘発が必須である重度の卵巣機能不全で、排卵誘発により複数の卵胞発育が見られた場合、多胎及びOHSSの重症化を予防する一つの選択肢となりうると考えられる。

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