研究開発・学会発表

10月のおはな

第57回 日本卵子学会

学会名

第57回 日本卵子学会

日・場所

平成28年5月14日(土)~15日(日) 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター

タイトル

より効率の良い精子調整法の検討

発表者名

横田梨恵、古橋孝祐、辻優大、大月純子、松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英

[目的]

現在、当院では体外授精の精子調整において良好運動精子獲得のため、単層パーコール法(600G)の後にswim up法を採用している。しかし、工程が多くなり、複数人のスタッフが関わることによって業務が煩雑となり、取り違えなどのミスが起こる恐れがある。そこで、作業を簡便かつ効率的にするため、2層パーコール法(300G)単独による精子調整法を検討し、従来法との比較を試みた。

[方法]

検討1:2層パーコール法(2層法)の条件確立を行い、作業工程および精子調整前後の所見について従来の単層パーコール-swim up法(従来法)と比較した。単層(90%)、2層パーコール(下層90%、上層45%)は共に前日に調整し、精子調整時に精子を1.5ml重層し、遠心後上清除去および培養液洗浄を行った。従来法では更にswim up法を行い、両法ともに媒精濃度10×104/mlになるように媒精した。検討2:2015年11月から12月の採卵において、精液所見が運動精子濃度10×106/ml以上かつ回収卵数が4個以上のIVF30症例を対象とし、受精率、分割率、良好分割率、胚盤胞率、良好胚盤胞率(≧3AA)を比較した。

 

[結果]

検討1:2層法は従来法と比べて調整時間が20~45分短くなり、運動精子回収前後の平均運動精子濃度は2層法にて有意に高くなった(p=0.043)。検討2:2層法群および従来法群における受精率は78.2%および76.2%、分割率は89.4%および84.8%、良好分割率は65.6%および58.9%、胚盤胞率は67.6%および64.4%、良好胚盤胞率は20.0%および21.3%であり、両群間において有意差は認めなかった。

 

[結論]

業務が簡便かつ効率的になったことで、人為的ミスや取り違えの防止につながることも考えられた。また、2層法の運動精子回収率は従来法に比べ有意に高く、受精、胚発生率において有意差を認めなかったことからも、swim up法を行う必要はなく2層パーコール法が精子調整に有用であることが示唆された。