英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第34回 日本受精着床学会総会・学術講演会

  • 受精障害に対するrescue-ICSIの妊娠・出産解析
  • 2016年9月15日(木)~16日(金) 軽井沢プリンスホテルウエスト
  • 第34回 日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 矢田桃子、古橋考祐、後藤優介、片田雄也、角本知世、松浦まき、岸加奈子、向井美紗、

    角知英、辻優大、大月純子、緒方洋美、松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英

【目的】

rescue-ICSI (r-ICSI)は完全受精障害の回避法の一つであり、当院では第2極体放出の経時的Wチェックにより二重受精を極力回避する方法を試みてきた。そこでr-ICSIの臨床妊娠・出産解析結果を報告する。

 

【方法】

20126月~201412月の間にr-ICSIについて同意が得られ、回収卵数4個以上のIVF2545周期とconventional-ICSI(c-ICSI) 4249周期の培養成績の比較及びr-ICSIc-ICSI胚の凍結融解単一胚盤胞移植1994周期における妊娠・出産解析を行った。

 

【結果】

IVF 2545周期中132周期がr-ICSI対象となった。r-ICSI群、c-ICSI群の受精率、胚盤胞率、良好胚盤胞率、3PN率はr-ICSI:81.0%,27.0%,28.7%,5.4%c-ICSI:77.0,35.1%, 36.0%,3.0%で受精率はr-ICSI群が(p=0.017)、胚盤胞率はc-ICSI群が(p=0.001)3PN率はr-ICSI群が有意に高かった(p=0.0009)。また受精卵を得られなかった周期の割合がr-ICSI導入前(0.8%)と比べ導入後(0.1%)は有意に低かった(p=0.0003)r-ICSIc-ICSI胚の凍結融解単一胚盤胞移植1994周期の臨床妊娠率、生児獲得率はr-ICSI:42.3%,26.9%c-ICSI:39.2,30.2%で妊娠率、生児獲得率に有意差はなかった。

 

【考察】

受精障害の症例においてr-ICSIを行うことにより受精卵が得られなかった周期は有意に減少し、その後の培養成績や妊娠成績において差がなかったことから、r-ICSIは完全受精障害の回避に有用であると考えられたが、第2極体放出のWチェックを行っても3PN率が有意に高いことから、二重受精回避に関する更なる検討を行っていく予定である。

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