英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第43回日本遺伝カウンセリング学会学術集会

  • 当院における出生前診断を目的とした遺伝カウンセリングの現状と課題
  • 2019年8月2日(金)~4日(日) 札幌市教育文化会館
  • 第43回日本遺伝カウンセリング学会学術集会
  • 中原 恵理、苔口 昭次、松本 由紀子、岡本 恵理、塩谷 雅英

【背景】

当院では出生前検査として、母体血清マーカー検査(以下、クアトロテスト)および羊水検査に加え、2018年10月よりは妊娠初期胎児超音波検査およびOSCAR検査を実施している。これらの検査に先立っては、臨床遺伝専門医、あるいは認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリング(以下、GC)を必須としている。

 

【目的】

GC実施報告書を通して現状を分析し、今後のGCのあり方について考察する。

 

【方法】

2019年1月~3月までに当院にて出生前検査に関するGCを受けた82症例のGC実施報告書を後方視的に分析した。

 

【結果】

来談妊婦の平均年齢は36.3±3.91歳。GC直後の決断は、妊娠初期胎児超音波検査希望が32症例(39.0%)←OSCAR除く単独と併用、OSCAR検査希望が23症例(28.0%)、クアトロテスト希望が3症例(3.7%)、羊水検査希望が2症例(2.4%)、NIPT実施施設への紹介希望が10症例(12.2%)、一時保留が15症例(18.3%)、検査希望なしが3症例(3.7%)であった。このうち、 6症例(7.3%)は妊娠初期胎児超音波検査に加え、OSCAR検査以外の検査の併用を希望した。また、GC前の段階で希望する検査があった35症例のうち、GC後に意見の変化が見られたのは12→11症例(34.3%→31.4%)であった。

 

【考察】

GC前後において意見の変化が見られた症例が見受けられた。その理由として、夫婦での来談ができなかったことやNIPT実施施設へのアクセスの問題などがあげられた。

 

【結語】

出生前検査を目的としたGCの現状を分析した結果、単に情報提供を充実するだけではなく、付随するさまざまな問題点にも注意を払う必要性があることが浮き彫りになった。今後はGC来談者を対象にアンケートを行うなどして、さらなるGCの充実をはかりたい。

診察ご予約は
こちら
さんのみや診療予約
loading