研究開発・学会発表

11月のおはな

第64回日本生殖医学会学術講演会・総会

学会名

第64回日本生殖医学会学術講演会・総会

日・場所

2019年11月7日(木)~8日(金)神戸国際会議場・神戸国際展示場

タイトル

40歳以上患者におけるPiezo-ICSIの有用性について

発表者名

古橋孝祐、片田雄也、角本知世、岸加奈子、角知英、岩﨑利郎、伊藤宏一、水澤友利、
松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英

【目的】

生殖補助医療では卵細胞質内精子注入法 (ICSI)が必須の技術である。ICSIでは透明帯を押し破った上で卵細胞質膜を破膜する。破膜するには、ニードル内へ卵細胞質を吸引して破膜する方法 (conventional-ICSI: c-ICSI)、Piezoパルスを使用する方法 (Piezo-ICSI, P-ICSI)がある。P-ICSIは破膜の際のダメージが少ないため、ヒト卵子においても有用性が報告され、我々の過去の成績でもP-ICSIが高齢患者でより効果がある可能性が考えられた。そこで今回は40歳以上の患者に対してP-ICSIを実施し、その効果を検証した。

【方法】

2018年1月~3月にc-ICSIを実施した218周期 (528個)をc-ICSI群とし、2019年1月~3月にP-ICSIを実施した288周期 (773個)をP-ICSI群とし、後方視的に検討した。また、本検討にはPiezoXpert (Eppendorf社)を用いた。検討項目は受精率、2PN率、変性率、良好分割率 (4cellG2≤)、D5胚盤胞発生率、D5良好胚盤胞率 (G3BB≤)、D5,D6胚盤胞発生率とし2群を比較した。

【結果】

c-ICSI群の平均年齢は42.7±2.1歳、P-ICSI群 の平均年齢は42.9±2.1歳であり差はなかった。培養成績では2PN率 (72.0% vs 77.6% p≺0.05)、D5胚盤胞発生率 (25.2% vs 36.6 p≺0.01)でPiezo-ICSI群が有意に高かった。受精率、変性率、良好分割率、D5良好胚盤胞率、D5, D6胚盤胞発生率には差がなかった。

【考察】

本検討結果より、40歳以上患者におけるPiezo-ICSIの有用性が確認出来たことから、Piezo-ICSIは加齢に伴う脆弱な卵子において、より少ないダメージでICSIが可能となり培養成績の向上に寄与出来ることが示唆された。