不妊治療の知識

11月のおはな

男性に原因のある不妊症

男性因子による不妊とは

30年ほど前までは、不妊症の原因は女性にあると考えられていました。しかし、男性に原因がある場合も多いことが知られるようになり、今では不妊症全体の50%前後を占めると考えられます。

男性の不妊原因には以下の症状があげられます。

乏精子症

精液中の精子の濃度が薄いものをいい、一般的には、精液1ml中、精子数が2000万以下をいいます。自然妊娠の可能性が低くなり、精子濃度が500万/ml以下になると自然妊娠の可能性は著明に低くなります。

無精子症

精液中に精子が全く見つからないものをいいます。自然妊娠は期待できませんが、精巣上部や精巣そのものには精子が見つかることも多いので、あきらめる必要はありません。

精子無力症

精子の運動能力に問題があるものです。精液中に動いている精子の割合が、50%を下回るものをいい、自然妊娠の可能性は低くなります。

奇形精子症

精子を詳しく観察すると、上図のように様々の形をしたものがあります。正常な形をした精子が、30%にも満たない場合を、奇形精子症といい、この場合は授精が起こりにくくなり、自然妊娠の可能性はやはり低くなります。

これらの症状を引き起こす原因

最も多いのは、特発性造精機能障害と呼ばれる原因不明のものです。精巣の中における精子の産生が少なくなっています。精索静脈瘤も男性不妊症の重要な原因の一つです。
精巣では精子が作られているのに、精子の運搬に問題がある場合もあります。精子の輸送路が先天的に欠損しているものを精路欠損症と呼び、輸送路が閉塞している場合を精路閉塞症と呼びます。
射精された精子が膀胱に逆流する場合を逆行性射精と呼びます。精液量が1ml以下と少ない場合に疑います。染色体異常が原因で無精子症になることもあります。