不妊治療の知識

1月のおはな

胚培養スタッフより

胚培養スタッフより

当院胚培養スタッフからお届けするコラムです。一般の治療ではなかなか見えにくい部分をお届けしています。

当院での胚凍結の流れについて(2018年12月)

採卵して得られた胚をすぐに移植しない場合、また移植して胚が残る場合、胚凍結を行うことによって、他の周期で融解し移植することができます。詳しくは過去の記事、受精卵(胚)凍結についてをご参照ください。
今回は当院の胚凍結の流れについてご説明させて頂きます。
胚凍結には『初期胚』での凍結、『胚盤胞』での凍結の2種類があります。
① 初期胚凍結
初期胚凍結は採卵から2日目に受精卵の分割が確認できた胚の一部を凍結保存します。
初期胚凍結を行う理由として、
・確実に移植できる胚を確保する為。
継続培養した胚が胚盤胞にならず、胚盤胞での凍結胚が得られなかった場合、初期胚での移植が可能になります。
・治療の選択肢を増やす為。
2段階胚移植を行うために初期胚で凍結保存をします。
凍結する個数は患者様の希望・先生との相談・得られた初期胚のグレードや個数によって変わります。また、受精の状態やグレードによっては分割個数が得られても初期胚凍結を提案しない場合もあります。
【例 1】 初期胚5個得られた場合
201812①
初期胚凍結できる胚はグレード順に上から2番目のもので凍結個数は1個になります。
残りは胚盤胞まで継続培養となります。
【例 2】初期胚7個得られた場合
201812②
初期胚凍結できる胚はグレード順に上から2番目と4番目のもので、凍結個数は2個になります。残りは胚盤胞まで継続培養となります。
② 胚盤胞凍結
採卵から5日目・6日目に胚盤胞まで成長がみられた胚を凍結保存します。
胚盤胞凍結を行う理由として
・初期胚よりも高い妊娠率が見込まれる為。
胚盤胞まで成長していることが確認できている為、妊娠率が初期胚に比べて高くなることが見込まれます。ただし、初期胚が胚盤胞まで成長する確率は、グレード良好胚でも50%と言われております。
・SEET療法(リンス療法とも言います)が行える為。
胚盤胞で凍結保存した場合その胚を培養していた培養液(SEET液)も同時に回収し、凍結保存させて頂きます。詳しくは、SEET法について、をご参照ください。
5日目に胚盤胞の成長がみられなかった胚は翌日の6日目まで培養し、胚盤胞になってきた場合凍結保存します。
6日目まで培養しても胚盤胞にならなかった胚は6日目に培養中止となります。
その為、胚盤胞凍結は5日目と6日目の2日にわたって行うこともあります。
201812③
5日目に3個、6日目に1個胚盤胞での凍結ができ、凍結保存胚数は4個になります。残りの胚は胚盤胞にならなかったため、培養中止となります。
当院ではこのように2日目に初期胚凍結を、5・6日目に胚盤胞凍結を行っております。
胚凍結に関しては採卵日やそれまでの診察で医師からご提案させていただきますが、患者様のご希望に沿うことも可能ですので、お気軽にご相談ください。
培養部門 松田彩花