不妊治療の知識

1月のおはな

理事長コラム

理事長コラム

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

第83回 iPS細胞による不妊治療の可能性(2014年11月)

 今回はiPS細胞による不妊治療の可能性についてお話したいと思います。2011年8月、京都大学の斎藤通紀教授らの研究グループは、マウスのES細胞とiPS細胞から分化させた生殖細胞をもとに精子を作り、マウスの子供を誕生させることに成功したと発表しました。12年10月には同研究グループはメスのマウスのES細胞とiPS細胞から卵子の作製に成功し、なおかつ、それらの卵子からマウスの子供を誕生させることにも成功したと発表しています。これらの技術を応用すれば、卵子の老化が原因で妊娠出来なくなった患者様、そして何らかの原因で精子を作ることができない無精子症の患者様でも自身の細胞から幹細胞を作成し、この幹細胞から精子や卵子を作り出すことで、自身の子供を望むことが可能となるかもしれません。もちろん、技術の確立、安全性の確認にはまだ何年もかかる可能性があり、すぐという訳ではありませんが夢の広がるニュースですね。

執筆:理事長 塩谷雅英