不妊治療の知識

11月のおはな

理事長コラム

理事長コラム

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

第85回 凍結胚移植について(2015年3月)

 当院では、毎年1,500人以上の患者さんが体外受精の治療によって出産されていますが、現在、その90%以上は凍結胚移植によるものです。凍結胚移植のメリットは子宮内膜の環境が整った周期にあらためて移植することで妊娠率がアップすることと、余剰胚を凍結保存すれば、1回の採卵で移植の機会が増えることです。費用や体への負担も最小限に抑えることができます。
 凍結技術の普及によって、多くの施設で受精卵を安全に凍結保存することができるようになりました。高度なガラス化凍結保存技術ではありますが、マイナス196度の液体窒素から一気に37度の培養液に入れて融解する過程など、ダメージを受ける可能性がゼロとは言い切れません。繊細な受精卵を扱うには、慎重の上にも慎重を期すことが大切だと当院では考えています。

執筆:理事長 塩谷雅英