不妊治療の知識

11月のおはな

理事長コラム

理事長コラム

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

第88回 40代の治療について(2015年7月)

 40代女性がタイミング療法や人工授精で妊娠できるチャンスは毎月3%以下といえば、皆さんはその妊娠率の低さに驚かれるでしょうか?しかし、これは決して大げさな数値ではなく、当院の統計にも表れているデータです。女性は40歳を迎える時期に、子宮や卵巣の状態に大きな変化が訪れ、個人差が出始めます。ですから、40代の治療方針をひとくくりで提案するのは大変困難です。個人差ある一人一人の生殖器の状態や、ご主人の精子の状態を出来るだけ正確に把握し、何を選択肢として優先させるのか、患者さんに合った治療方法の見極めが必要となります。
 不妊治療において大切なのは、少しずつ老化が進むご自身の卵巣や子宮の状態を正しく把握すること。特に40代ではタイミング療法や人工授精といった、いわゆる一般不妊治療に多くの時間を費やしている余裕はありません。限りある時間を有効な治療にあてるためにも、体外受精や顕微授精などの高度不妊治療を視野に入れ、早めにステップアップするのがよいでしょう。

執筆:理事長 塩谷雅英