はなぶさ ブログ

10月のおはな

ストレスは不妊治療の大敵!

不妊治療は瞬発力を必要とする短距離走ではなく、持久力を必要とするマラソンのように例えられます。

ゴールが見えそうで見えない、本当にゴールがあるのだろうか、と患者の皆さまは不安に苛なまされることも少なくないでしょう。

 

高度生殖補助医療でも、卵子が取れない、胚が育たない、あるいは流産を繰り返すなど、心身ともに疲れ身体的・精神的ストレスを感じることがあります。

 

強すぎるストレスは、身体の状態を副交感神経(リラックスする自律神経)よりも交感神経(心身の緊張を促す自律神経)を優位な状態にします。

『ストレスは妊娠を望む皆様にはよくないですよ』とお話をさせて頂く機会もあります。実はこの『ストレスと妊孕能の関連』は科学的に裏付けされているのです。

 

Lynch et al., Preconception stress increases the risk of infertility: results from a couple-based prospective cohort study–the LIFE study. Hum Reprod: 2014: 29; 1067-1075.

論文中では唾液中のαアミラーゼと呼ばれる酵素を測定することで、ストレス値を計測しています。

その結果、ストレス値が低い群に比べて、ストレス値が高い群では妊娠率が低く、治療期間も長くなることを報告しています。

 

このように治療中の不安やストレスは自律神経の乱れを誘発する最大の要因になります。その結果、不妊治療によるストレスが治療期間を長引かせ、結果的に金銭的負担も大きくなってしまうといった負のスパイラルに陥ってしまうことになります。

 

私たちのクリニック(英ウィメンズクリニック)では、教室あるいはセミナー形式による、身体的・精神的ストレスを緩和することを目的とした取り組みを多く行っています。

次回からは、これらの取り組みについて、いくつか紹介していきたいと思います。

 

(文責:[研究開発部門] 辻優大、[理事長] 塩谷雅英)