はなぶさ ブログ

1月のおはな

アルコールは精子に悪い?

先日喫煙が精子に与える悪影響についてご紹介いたしましたが、じゃあアルコールは大丈夫なの?と思われた方は多いのではないでしょうか。

週末の夜でお酒を飲まれる方も多いのではと思われますが生ビール
本日はアルコールと精子の関係についての研究をご紹介いたします。
Semen quality and alcohol intake: a systematic review and meta-analysis. (飲酒と精子の質:メタ解析の結果)

(メタ解析とは、別々に行われた複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析することをいいます。一般的には質の高い根拠が得られるといわれています)
こちらはイタリアのRicci氏らによって2016年のReproductive Biomedicine Onlineに掲載された論文になります。この研究では348本の論文の中から15本の論文をチョイスして精液所見とアルコールの関係について調査しています。

さて、上記の表は精液量、運動率、精子濃度、正常形態率について飲酒派と飲まない派を比べているグラフになります。これを見ると、全ての項目で飲まない派優勢となっています。ただ、統計学的有意差がついているのは精液量と正常形態率だけのようです。

続いて、サブグループ解析の結果ですがこちらは1年以内に奥さんが妊娠した男性や逆に不妊症の男性、ランダムに選んだ男性、についての解析と時々飲むvs全く飲まない、普段から飲むvs時々飲むといった群に分けて解析しています。表の中で値が+の所は飲まない派の方が良いデータが得られた部分になっています。ちなみに()の中は95%信頼区間となっていて、これが0をまたがない場合は統計学的に有意な差と言えます。

見てみると、意外とマイナスの値も混在していてアルコールはそこまで影響がないのかなという印象ですが、先ほど最も有意差がついていた正常形態率に関しては1.87(0.86 to 2.88)ですからそれなりに差がありそうです。その差がどこでつくのかを下の行で解析していますが、普段から飲むvs時々飲むの部分が大きな差がついています5.17(3.5 to 6.85)。一方で時々飲むvs 全く飲まないの部分はそれほど大きな差ではありません0.93(0.04 to 6.85)。そのため、時々飲むくらいはあまり問題がないが、毎日飲むと影響があると解釈されています。

結論としては
・アルコール摂取は精液量と正常形態率(特にこれ)に悪影響を与える。
・時々飲むくらいならそれ程影響はない。
でした。タバコほど厳密にやめる必要はないようで、私も含めてほっとされた方は多いのではないでしょうか。「お酒は適量に」というのは妊活の世界でもあてはまるようですね。

過去の記事もご参照ください。

男性の精液所見に悪影響を及ぼす生活習慣は何か?

禁欲期間は何日が最適?
(文責:医師部門 江夏徳寿、理事長 塩谷雅英)

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