はなぶさ ブログ

9月のおはな

ストレスが妊娠を遠ざけるって本当?

精神的ストレスが妊娠に悪影響を与えるという話を聞かれた事がある方は多いのではないでしょうか。

確かにいかにも妊娠に悪影響を与えそうですが、どれくらいの根拠がある話なのでしょう?

そもそもストレスを科学的に評価することってできるんでしょうか?
本日はストレスと妊娠の関係を科学的に調査した研究をご紹介いたします。
Stress reduces conception probabilities across the fertile window: evidence in support of relaxation (ストレスが妊娠可能期間の妊娠率を低下させる:リラクゼーションの効果も含めて)
これはイギリスのBuck Louice氏らが2011年にFertility and Sterility誌に報告した論文です。
この研究ではイギリスの274人の女性がタイミング法を行い、実際に妊娠したかどうかを調査しています。

ストレスの評価としては、唾液中のα-アミラーゼとコルチゾールを定量しています。

上の表では唾液中のストレスマーカーと妊娠可能期における妊娠の有無をベイジアン解析というやや珍しい手法で解析しています。
オギノ法、LHサージと群が分かれていますが、排卵日を予測するのにどちらの方法をとったかという違いだけで、この2群に本質的な違いはありません。
これを見るとα-アミラーゼに対してマイナスの値がついています。これは、α-アミラーゼが上昇すると妊娠率が下がっていく事を意味します。
一方で、コルチゾールの値はプラスがついています。

これは逆に妊娠率が上がる事を意味しますが、その隣の95%信頼区間を見るとゼロをまたいでいます。

これは、プラスにもマイナスにもどちらにも振れる可能性があるということで、統計学的有意差はないと判断されます。

続いて、排卵日を基準として5日前から排卵翌日までの間でどの日に妊娠が成立したかを調べています。

これを見ると、排卵日前日が最も妊娠率が高く5日前が最も妊娠率が低くなっています。

これについては、先日のブログ(タイミングは毎日?空けた方がいい?)で紹介した日程と少しだけずれていますが、おおむね同じ様な傾向が見られます。

この論文で重要な点は、α-アミラーゼが低い方から1/4に位置する群において最も妊娠率が高く、逆にα-アミラーゼの高い群では妊娠率が低くなっている事です。

一方でコルチゾールの値で分けたグラフでは各群に差は認めていない様でした。

このことから妊娠と関連するのはストレスの中でもコルチゾールが関与する視床下部-下垂体-副腎皮質系ではなく、α-アミラーゼが関与する交感神経-副腎髄質系であると考えられました。
色々述べましたが結局のところ結論は、
・ストレスはやはり妊娠を遠ざける。

でした。
好きでストレスを抱えている方はいないとは思いますが、なるべくストレスを抱え込まないようにしたいものです。

当院ではマザースマイルビクスといってエクササイズを通してストレスを発散する教室やアロマテラピーも行っています。うまく利用してストレス解消に役立てていただければ幸いです。

以前の記事もご参照ください。

タイミングは毎日?空けた方がいい?

自然と笑顔に!beマザー・スマイルビクスのご紹介

(文責 医師部門:江夏徳寿、理事長:塩谷雅英)

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