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2月のおはな

遺伝子編集について―遺伝子組み換えと遺伝子編集の違い

前回は遺伝子編集という技術は、飛躍的な品種改良を可能にし、自然を自由に操ることになってしまうのかというお話をしました。

遺伝子組み換え食品は、すでに市場に出回っています。

間違いなく我々はそれを口にしています。

 

「自然であること」を強調するために豆腐のパックには「遺伝子組み換えでない」と記載されているのをご存じでしょう(図)。

遺伝子組み換えで作った大豆の混入率が5%以下という意味だそうです。

私は生物学者のはしくれですから、理論的に遺伝子組み換え食品が体に悪いと思いませんが、なぜかスーパーでこの豆腐を手にすると安心してしまいます。

本論に戻りましょう。遺伝子編集は遺伝子組み換えの一種ですが、まったくこれまでとやり方が違っています。すでに使われている遺伝子組み換え法は、他の生物の有益な遺伝子を無理に組み込んだり、都合の悪い遺伝子をつぶしたりしていますので、その痕跡(組み換えに使ったウィルスDNAの一部)が残ります。ところが、遺伝子編集は直接書き換えてしまうため痕跡が残りません。自然がDNAに変異をもたらす方法と同じ方法だからです。

自然界では、生物の性質そのものに影響を与える遺伝子の変異はそう頻繁に起こるものではありません。

でも、遺伝子編集という方法で、人が変異を自由に起こすことができるとなると、経済性や便利さを求めて多くの変異を起こすことでしょう。

生活が便利になる反面、恐ろしいことだと思いませんか。

 

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(文責:[研究開発部門] 長谷川 昭子 [理事長] 塩谷 雅英)