はなぶさ ブログ

5月のおはな

不妊治療でよく使われるHMGのお話 その2

前回の不妊治療でよく使われるHMGのお話し その1ではHMGがどのような製剤かというお話をしました。
HMGの中にはFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)が主な有効成分として含まれています。
FSHやLHは脳の下垂体というところから出て、卵巣を刺激して卵胞を育てたり、卵胞の中の卵子を成熟させ排卵を促したりするホルモンです。

HMG製剤はメーカーによって、含まれるFSH、LHの比率が異なっています。
両方を1:1で含むものや、LHが少なめのもの、ほぼLHを含まずFSHだけのものなどがあり、状況に応じて使い分けられます。

HMGのことをよく排卵誘発剤という言い方をしますが、実は何か特別に作られた薬というわけではなく、もともと自分の体から出ているホルモンと同じものを注射しているんですね。
ですので、体外受精のための排卵誘発をしていると、採血してFSHやLHを測りますが、これは注射したものと自分の体から出ているものを合わせたものを測っていることになります。
(ショート法やロング法では基本的には自身の体からはFSHやLHは出ませんので、ほぼ注射した分のみとなります。刺激方法の違いについてはまたいずれお話しできればと思います。)

使用方法は通常1日1回 皮下注射または筋肉注射を行います。

使用する量は年齢やAMHの値、過去の治療歴などによって決まりますが、おおむね75単位~300単位を使うことが一般的です。

気になる副作用については、FSH、LHはもともと体の中にあるものなので、それほど特殊なものがあるわけではありませんが、多くの卵子を得るために強く卵巣を刺激することになるため、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)に最も注意が必要です。
HMGを使用中は医師も診察時に超音波検査やホルモン値などを十分に観察してOHSSに注意を払います。

患者さんが感じる主な自覚症状としては「おなかが張る」、「はき気がする」、「急に体重が増えた」、「尿量が少なくなる」などですので、このような症状を感じたら医師にご相談ください。

 

以前の記事はこちらからお読みいただけます。

不妊治療でよく使われるクロミッドのお話

不妊治療でよく使われるレトロゾール(フェマーラ)のお話

クロミッド or レトロゾール その違いは? その1

クロミッド or レトロゾール その違いは? その2

クロミッド or レトロゾール その違いは? その3

不妊治療でよく使われるHMGのお話 その1

 

(文責:[生殖医療薬剤部門] 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英)