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2月のおはな

バイオシミラー(バイオ後続品)ってなに?

バイオシミラーとはひとことで言うとバイオ医薬品の後発品ということなのですが、なぜ一般的なジェネリック医薬品と区別されているのでしょう。

バイオ医薬品とは、遺伝子組み換え技術などのバイオテクノロジーを使って、哺乳類細胞、ウイルス、バクテリアなどの生物によって生産される医薬品のことをいいます。

大腸菌や酵母菌よって作られるヒトインスリンやチャイニーズハムスター細胞で作られるFSH製剤(ゴナールエフ)といった医薬品などがその例になります。

これらのバイオ医薬品が一般的な合成医薬品と大きく異なる点は、分子量が非常に大きく構成成分が均一でないことや有効成分を厳密に限定することが困難なこと、不純物の混入の可能性がある点などがあげられます。

これらの特徴は製造方法や過程(産生細胞)などにより大きく影響を受けます。

またジェネリック医薬品では必ず行われる生物学的同等性の評価も困難であるため、バイオシミラーの製造販売承認には、有効性・安全性を確認する臨床試験が求められます。

したがいまして後発品の承認申請よりも多くの資料の提出が必要となります。

これらのことから一般的なジェネリック医薬品とは区別してバイオ後続品やバイオシミラーといった呼び方がされているのです。

ジェネリック医薬品の有効成分は先発品と全く同じと言えますが、バイオシミラーはシミラー(類似の)という名前の通り、先発品と全く同じではありません。

その代わりに臨床試験により先発品と有効性・安全性が同等であることが確認されているわけです。

バイオ医薬品は薬価も高額なため、医療費抑制の効果は一般的な合成医薬品のジェネリックと比べても大きなものと期待されていますが、開発(製造販売承認取得)にはジェネリックよりも多くの時間とコストがかかるため、国内ではまだ8成分ほどしか販売されていません。

新しいものとしてはリウマチなどに使われる抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤(先発品名レミケード、エンブレルなど)や糖尿病に使われる持続型ヒトインスリン(先発品名ランタス)があります。

ちなみに初めてのバイオシミラーは2009年に承認された成長ホルモン(ソマトロピン)でした。

ちなみに、つい先日発売となった最新のバイオシミラー、エタネルセプト(先発品名エンブレル)の薬価は、エンブレル25mgが15,944円に対してバイオシミラーは9,099円となっています。

抗がん剤として使用される抗体薬(先発品名ハーセプチンやリツキサン)なども最近承認され、すでに一部発売となっていますので、これからはバイオシミラーも多く使用されていくことになるのではないでしょうか。
将来は生殖医療の領域で使用されるバイオ医薬品についても出てくるといいですね。

以前の記事もご参照ください。

「ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは?」

「ジェネリック医薬品はなぜ安くできる?」

ジェネリック医薬品にデメリットはない?

オーソライズドジェネリックってなに?

「新薬ってどのように開発されるの その1」

「新薬ってどのように開発されるの その2」

「新薬ってどのように開発されるの」 その3 治験とは?

「新薬ってどのように開発されるの」 その4 医薬品の承認審査

 

文責:[生殖医療薬剤部門] 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英