はなぶさ ブログ

5月のおはな

レトロゾール(フェマーラ®)の安全性について その1

先日薬剤部よりレトロゾールの効果についてクロミフェンとの違いをベースに紹介いたしましたが、その際に排卵誘発剤としての使い方は本邦では未承認であるということをお話ししました。

それでは、何をもって安全であると考えているのかという点について説明したいと思います。

まず、レトロゾールは乳癌の治療薬としては本邦でも保険適応になっており、成人女性に対する安全性は確立しています。

排卵誘発剤として使用する場合に問題となるのは、やはり生まれてくる子供への影響かと思います。

レトロゾールの出生児への影響を調べた研究はいくつか報告がありますが、本日はそのうちの一つを紹介したいと思います。
Congenital Malformations among Babies Born Following Letrozole or Clomiphene for Infertility Treatment.

(レトロゾール、クロミフェンによる不妊治療と出世児の先天異常の関係)
この論文はインドのSharma氏らが2012年にPlos One誌に発表した研究です。

ちなみにインドではクロミフェン同様にレトロゾールも排卵誘発剤としての保険適応があるそうです。
さて、この研究では自然妊娠によって生まれた子供171名、クロミフェン療法後の子供251名、レトロゾール療法後の子供201名を比較しています。


結果を見てみましょう。

上の表を見てみると、双子の割合がレトロゾール、クロミッド共にやや多いことが分かりますが、三つ子以上はいなかったようです。

母体の年齢は各群でほぼ同じでした。一方、出生時体重をみると自然妊娠群、レトロゾール群と比べてクロミフェン群で低いという結果でした。

次回は出生児の先天異常に関する結果についても見てみましょう。

以前の記事はこちらからお読みいただけます。

不妊治療でよく使われるクロミッドのお話

不妊治療でよく使われるレトロゾール(フェマーラ)のお話

クロミッド or レトロゾール その違いは? その1

クロミッド or レトロゾール その違いは? その2

クロミッド or レトロゾール その違いは? その3

 

(文責:医師部門 江夏徳寿、理事長 塩谷雅英)