はなぶさ ブログ

2月のおはな

体外受精か顕微授精か、その選択と結果について その1

採卵後に得られた受精卵を体外受精で受精させるのか、顕微授精にするのかについては悩まれる方も多いと思います。

 

一般的なメリットとしては

体外受精
・より自然な受精になる
・手技が容易

顕微授精
・精子が一匹でもいれば受精させられる
・体外受精よりやや受精率が高い
・受精障害のある症例でも受精させることができる

 

一方、デメリットとしては

体外受精
・受精障害のある場合などは受精率が低くなる
・精子の数が極端に少ない場合などは受精しないことがある

顕微授精
・手技が煩雑
・やや高額になる
・より人工的な受精になるため、未知のリスクがある可能性

などが挙げられます。

 

では、実際に体外受精と顕微授精どっちを選ぶ人が多くて、その結果はどうなのでしょうか。

今回はそのような観点を調査した研究をご紹介します。

Trends in Use of and Reproductive Outcomes Associated With Intracytoplasmic Sperm Injection

(顕微授精のトレンドと臨床成績)

この論文はアメリカのBoulet氏らが2015年にJAMA誌に報告した研究です。

対象となったのは、1996年から2012年の間にアメリカで体外受精および顕微授精を行った方、1395634周期(約140万周期!)のデータです。

まず、顕微授精のトレンドを見ています。

上の図を見ると、全体的に顕微授精の割合が増えている事が分かります。

1996年には36.4%だった顕微授精の割合が2012年には実に76.2%に倍増しているようです。

この中で目立っているのは男性因子以外の増加で、男性因子による顕微授精の割合はほとんど頭打ちになっている事から、男性因子以外が全体の割合を押し上げていると考えられます。

では、体外受精と顕微授精で結果に違いがあるのでしょうか。

この次からはその結果についてご紹介したいと思います。

 

関連の記事もご参照ください。

精子の質と顕微授精 その1

精子の質と顕微授精 その2

レスキューICSIは有効?

 

(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)