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2月のおはな

AMHの値でわかること。着床前診断の結果といろいろな因子との関係

AMH(抗ミュラー管ホルモン)が卵巣予備能を予測する指標として有用ですが、実際に臨床の現場でどのように活用していくか。

この様なテーマに沿った下記の研究をご紹介しています。

今回はその2回目です。
Female age, serum antimullerian hormone level, and number of oocytes affect the rate and number of euploid blastocysts in in vitro fertilization/intracytoplasmic sperm injection cycles

(女性の年齢、血清AMH、採卵個数は体外受精、顕微授精における染色体正常胚の割合と個数に影響する。)
この研究では体外受精、顕微授精を行い、着床前診断を行った578組の夫婦を対象として調査しています。

前回は、対象患者さんのデータから、染色体正常胚獲得はなかなか難しいという事がをお話ししました。

上の図は、各因子ごとに見た染色体正常胚の割合を見てみます。

やはり、年齢が上がる程染色体正常胚の割合は減っている事が分かります。

逆に、AMHは高いほどに染色体正常胚の割合が増えています。

成熟卵の個数は多いほど染色体正常胚の割合が多くなっていますが、かなりなだらかな相関となっており、正直微妙です。

続いて、同様の解析を重回帰分析を用いて行っています。

それぞれのグラフで3本の折れ線がありますが、一番上が1回の採卵で少なくとも1個の染色体正常胚が採れる割合、真ん中が染色体正常胚の割合、一番下が染色体正常胚の個数になります。

まず年齢で見ると40歳くらいから染色体正常胚の割合が減っており、採卵で得られる受精卵の個数も減る事から、1回の採卵で染色体正常胚が得られる割合が43歳で50%を切るように減っています。

反対に、AMHを見ると、AMHが上がる程に染色体正常胚の割合が増え、採卵で得られる数も多いため、AMHが5を超えるあたりから正常胚の個数はぐんと増えています。

最後に成熟卵の個数で見ると真ん中の染色体正常胚の割合は横ばいである事が分かります。

割合が変わらないという事は、採卵で得られた成熟卵の数が増えればその分染色体正常胚の個数が増える事になります。

次回はもう少し別の視点からの解析もご紹介し、結論についてお話ししたいと思います。

 

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(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)