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10月のおはな

胚盤胞から細胞を取るって、着床前診断は安全なの!? 赤ちゃんの異常は

着床前診断は移植する前の細胞を少しだけ採取して染色体異常が無いかどうか確認する方法ですが、これは本当に安全な方法なのでしょうか?

その様な観点から調査された下記の研究について紹介しています。

今回はその3回目で、新生児死亡の割合、先天異常の割合などについての結果も見てみましょう。

(過去の2回は下記リンクよりお読みいただけます)

下の表は新生児死亡の割合を比較しています。

単胎の場合は着床前診断後と通常の顕微授精での出産に差は認めていません。

一方で複数児の場合は着床前診断後の出産で新生児死亡の割合が増えています。

これは、先ほどの低出生体重児の割合が多かった事にも関連しているかと考えられます。

最後に出生児の先天異常の割合について調べています。

これをみると、単胎でも複数児であっても、着床前診断後の群と通常の顕微授精後の群に差は認めなかった事がわかります。

 

ということで、この研究の結論としては
・着床前診断は単胎出生児の周産期リスクを上げない。
・複数児に関してはリスクを上げる可能性がある。

ということでした。複数児の場合になぜリスクが上がるのかははっきりしません。

ただ着床前診断で正常胚と診断された場合は妊娠率が高いため、やはり2個移植や3個移植といった複数個移植は避けるべきだと思われます。

一方で1個移植の場合は、周産期リスクが上昇しないということが分かりましたので、基本的には着床前診断による胎児への悪影響は無いと考えて良いのではないかと思います。

 

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(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)