はなぶさ ブログ

6月のおはな

不妊治療でよく使われる膣坐薬のお話 どんな種類があるの

今回は生殖補助医療で使われる黄体ホルモン(プロゲステロン)の膣坐剤のお話をしています。

1回目の前回は天然型の黄体ホルモンの薬がなぜ膣内投与になっているのかお話ししました。

2回目はプロゲステロン膣座薬の歴史や各社製剤の特徴などを紹介したいと思います。

プロゲステロンの膣剤が国内で使用できるようになったのは、比較的最近です。

国内で初めての製品は2014年に発売となった、フェリング・ファーマ社のルティナス膣錠という製品です。

その後ウトロゲスタン(富士製薬工業)、ワンクリノン(メルクセローノ)、ルテウム(あすか製薬)と続けて発売され、現在は4つの製品が使われています。

いくつかの製品は開発時に当クリニックでも治験を行いました。

もしかしたらご協力くださった方もおられるかもしれませんね。

これらの製品がまだ発売される前から日本でも体外受精が行われていましたが、それまではどうしていたのかというと、当初はそれぞれの医療機関内で院内製剤として手作りをしていました。

ずいぶん前のことになりますが、私自身も総合病院の薬剤部時代にプロゲステロンの膣座薬を作ったことがありました。

当時は恥ずかしながらどのような目的で使われるのかを十分に理解していませんでしたが・・・。

今思えばその製剤を薬剤部に依頼されていたのが当時産婦人科におられた当クリニックの理事長だったことが思い出されます。

その後は、海外ですでに販売されるようになっていた膣剤を医師が個人輸入して使用されている状況もありました。

2016年頃には、海外で販売されているプロゲステロンの膣剤がすべて国内でも使用できるようになりました。

4つの製品にはそれぞれ特徴があります。

これらの製品はすべて厚生労働省によって承認されたものですが、「生殖補助医療における黄体補充」という効能効果のため、保険適応ではありません。

ですので価格は医療機関によって異なる可能性があります。

主な特徴を上の表にしてみましたが、実際には各医療機関ごとに、治療方針や使用経験などによって薬剤の選択や使い方にはそれぞれ工夫があると思います。

次回は実際の使い方の例を紹介したいと思います。

 

以前の記事もご参照ください

不妊治療でよく使われる膣坐薬のお話 なぜ膣内投与?

テーマ「お薬の話」

 

(文責:[生殖医療薬剤部門] 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英)