はなぶさ ブログ

6月のおはな

知ってなるほどホルモンと月経のお話~エストロゲンとプロゲステロンは子宮にどのように働くのでしょう

「知ってなるほどホルモンと月経のお話」4回目になります今回は、エストロゲンとプロゲステロンは子宮にどのように働くのでしょう。

というお話をします。

エストロゲンやプロゲステロンの働きには大きく分けて性器に働く作用(性器作用)と性器以外の臓器や組織に働く作用(性器外作用)とがあります。

性器とは女性特有の妊娠し、子供を育てるに必要な臓器、すなわち子宮、卵巣、膣、乳房などを指します。

子供を残すための性器作用は種族保存のためには最も重要な作用ですが、特にエストロゲンに関しては、性器以外の臓器や組織に対する作用もとても重要です。
まず、性器作用について説明しましょう。

性器作用の中で最も重要なのは子宮に対する作用です。

エストロゲンは、思春期には子宮に対して働き、それを妊娠できるサイズにまで成長させます。

初経(初潮)後月経周期が始まると、月経直後より子宮内膜に働き、内膜の細胞を増殖させてその厚みを増していきます。

やがて排卵が起こると、黄体よりプロゲステロンが分泌されますが、エストロゲンとプロゲステロンは、協力して受精卵を受け入れ、それを育てることが可能な状態にまで子宮内膜を育てます。

ホルモン補充周期で受精卵の移植を受けられた方はご存知でしょうが、前半にエストロゲン剤である貼付剤(エストラーナ)などを投与し、後半に貼付剤に加えプロゲステロン製剤である膣座薬を投与するのは、正にこの月経周期を再現しているのです。
黄体の寿命は約2週間ですので、妊娠していない場合には、エストロゲンもプロゲステロンも作られなくなり、血中濃度も急激に下降します。

このふたつの女性ホルモンの下降により、子宮内膜を栄養している血管に破綻が起こり、内膜が剥がれ落ちて出血が起こります。

これが月経です。

つまり、子宮からの出血(月経)はエストロゲンとプロゲステロンの下降、すなわちその女性の体内からこれらのホルモンが消退することによって起こるのです。

よってこの種の子宮出血のことを専門的には消退性子宮出血と呼んでいます。

妊娠しますと、このふたつの女性ホルモンは、胎盤からも大量に作られるようになります。

胎児が成長するに伴い子宮はその容積を増しますが、ここにもこのふたつのホルモンは大きな役割を担います。

この時妊娠の維持に大きく貢献をするのはプロゲステロンで、子宮の収縮を抑制するなどの作用で、流産や早産を防ぐのです。

 

以前の記事もご参照ください。

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その1 女性ホルモンとは

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その2 エストロゲンは男性ホルモンからできるって本当?

知ってなるほどホルモンと月経のお話 エストロゲンという名称の由来は?

テーマ お薬の話

 

(文責:[医師部門] 片山 和明 [理事長] 塩谷 雅英)