はなぶさ ブログ

6月のおはな

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その6 分泌をコントロールするフィードバック機能について

排卵や月経といった女性の性周期の成り立ちには、エストロゲンやプロゲステロンの性器以外への作用(性器外作用)が大きな役割を担います。

ここでのフィードバックとは、より下位にある卵巣からのホルモンが、より上位である視床下部(間脳の一部)や下垂体に働き、そこからのホルモンの産生や分泌をコントロールすることをいいます。

本当は下の図のように視床下部も関わっているのですが、関係をより簡潔にするために、下垂体と卵巣との関係ということで話を進めていきます。
下垂体からは色々なホルモンが分泌されますが、女性の性周期に関連するのは性腺※刺激ホルモン(ゴナドトロピン)と呼ばれているFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)です。

性腺※:卵巣あるいは睾丸のこと

 

FSHは、「その2」で少し触れましたが、LHと協力して卵胞の発育を促し、エストロゲンの産生と分泌を促します。
一方、LHには、上記の働き以外に最も重要な排卵を起こすという働きがあります。

LHが日本語で「黄体化ホルモン」と呼ばれているのは、このホルモンが大量に分泌される(LHサージ)とこれが成熟した卵胞に働き、排卵を起こす、すなわちこの卵胞を黄体へと変化させるからです。

そのほかLHにはその後黄体に働き、黄体の機能を促進、維持する働きもあります。

このようにFSHやLHは卵巣を刺激し、エストロゲンやプロゲステロンの分泌を促すのですが、このままでは一方通行になってしまい、卵巣は刺激されっぱなしになってしまいます。

これをコントロールするのがフィードバック機能です。

 

図をご参照ください。

フィードバック機能には

ネガティブ・フィードバック(負のフィードバック)と

ポジティブ・フィードバック(正のフィードバック)

の2種類があります。

 

ネガティブ・フィードバックは、卵巣からのエストロゲンやプロゲステロンの分泌が増えた時に、これらのホルモンが下垂体からのFSHやLHの分泌を抑え、卵巣への刺激をゆるめる働きです。

経口避妊薬(ピル)は正にこの作用を利用したもので、エストロゲンと黄体ホルモンの両剤を含むピルを服用すると下垂体からのFSHやLHの分泌が減り、排卵が起こらなくなるため妊娠が避けられるのです。

 

一方、ポジティブ・フィードバックは、卵巣からのホルモン、特にエストロゲンが大きく関わります。

エストロゲンが急激にそして大量に分泌されると、FSHやLHの分泌が抑えられるのではなく、逆にそれが刺激となって下垂体から大量の特にLHが放出されるのです。

排卵前に起こるLHサージはこのようにポジティブ・フィードバック作用によって起こるのです。

 

次回は、これまでの各々のホルモンの作用を踏まえ、月経の周期において、お互いのホルモンがどのように関わりあって排卵が起こるのか、また月経が起こるのかをみていきます。

 

以前の記事もご参照ください。

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その1 女性ホルモンとは

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その2 エストロゲンは男性ホルモンからできるって本当?

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その3 エストロゲンという名称の由来は?

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その4 エストロゲンとプロゲステロンは子宮にどのように働く

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その5 エストロゲンとプロゲステロンは子宮の入口でも働いている

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(文責:[医師部門] 片山 和明 [理事長] 塩谷 雅英)