当院におけるrescue ICSI(レスキューICSI)の実際 その①レスキューICSIって何?
rescue ICSI(レスキューICSI)の有効性については、以前別の記事「レスキューICSIは有効?」でご紹介させていただきました。
体外受精(IVF)を行った後、受精障害の可能性があると判断した場合は、積極的にレスキューICSIを行っています。
ですが勿論、メリットもあればデメリットもあります。
今回はそれらも含めて、実際の流れと判断基準についてお話させていただきます。
IVFの場合、卵子に精子を振りかけた(媒精“バイセイ”と言います)数時間後に受精の兆候が現れると言われています。
成熟した卵子には、第一極体という小さな細胞が現れています。(図Ⅰ)
そこに精子が進入すると、第二極体という2個目の小さな細胞が現れます(図Ⅱ)。
この第二極体が受精の兆候です。
レスキューICSI対象の方(次回お話する予定です)の場合、採卵当日の夕方に第二極体が現れているか観察して受精の兆候の有無を判断します。
ここで受精障害が疑われる場合に顕微授精(ICSI)を行います。
これがレスキューICSIです。
次週は当院レスキューICSIの実際の流れについてお話します。
以前の記事もご参照ください
(文責:[胚培養士] 江口 素子 [理事長] 塩谷 雅英)