はなぶさ ブログ

2月のおはな

体外受精/顕微授精で生まれた子供の学力テストの結果 結果をまとめてみると。

今回は、体外受精/顕微授精で生まれた子供の学力テストの成績を一般妊娠で生まれた子供と比較した下記の研究について紹介しています。

Cognitive development in children up to age 11 years born after ART—a longitudinal cohort study

(体外受精後に誕生した子供の11歳までの認知能力-縦断的コホート試験)
この論文はイギリスのBarbuscia氏らが2017年にHuman Reproduction誌に報告した研究です。
この研究では、最終的に15218名の子供を対象とした大規模な調査になっており、現在まで行われている調査の中で最大規模のデータとなります。
前回前々回と、対象となった子供の背景の内訳や学力テストの成績の比較を見てみました。

 

 

その結果、体外受精/顕微授精によって生まれた子供の方の成績が高く、とくに年齢が低い時期に差が顕著であるというお話をしました。

 

 

それでは最後に、様々な因子で補正を行った子供の学力テストの結果を見ていきましょう。

 

 

まず、左の少ない因子でのモデル(Model5)での解析では顕微授精/体外受精で生まれた子供が有意に学力テストの成績が良いという先ほどまでの解析と同様の結果になっています。

 

ただ、同時に解析する因子を増やしていくと徐々にその有意性が失われていく事が分かります。

 

最終的に最も結果に影響を与えるのは、母親の学歴、母親が仕事していること、管理職や専門職についていることが、最も大きい要因であり、それらの因子で補正すると体外受精/顕微授精で生まれる事の優位性は無くなるようです。

 

つまり、顕微授精や体外受精で生まれたから学力テストの成績が良いというわけではなく、顕微授精や体外受精で生まれた子供は、親が高収入であったり、学歴が高いために子供も学力テストの成績が良くなる傾向があったのだろうと考察されています。
まとめますと、
・体外受精/顕微授精で生まれた子供は学力テストの成績が良かった。
・親の学歴や職業などがテストの結果により影響を及ぼしていると考えられた。
ということでした。
結局育つ環境が大事と言ってしまえばそれまでですが、少なくとも体外受精/顕微授精が子供の知能の発育に悪影響を与えるという事は無いという結論で、有意義な研究結果だと思います。

今後も同様の研究が報告されたら紹介していきたいと思います。
 

以前の記事もご参照ください

体外受精/顕微授精で生まれた子供の学力テストの結果について

体外受精/顕微授精で生まれた子供の学力テストの結果 自然妊娠児との差は!?

体外受精で生まれた子供の発育は? その1

体外受精で生まれた子供の発育は? その2

 

 

(文責:医師部門 江夏 徳寿、理事長 塩谷 雅英)

 

アメンバー募集中です。アメンバーの申請はこちらから。

メッセージはこちらからお送りいただけます。ご質問等もお待ちしております。