はなぶさ ブログ

9月のおはな

当院におけるrescue ICSI(レスキューICSI)の実際 その③ メリットとデメリット

前回前々回と、当院におけるrescue ICSI(レスキューICSI)についてご紹介してきました。

 

今回はそのメリット、デメリットのお話です。
精液所見が良くても、全く受精が起こらない事が稀にあります。残念な事に、この事は予測ができません。

そこにレスキューICSIを行えば、受精卵がないという事態を免れる可能性が高くなります。

これがレスキューICSIのメリットです。

 

 

 

では、デメリットは何でしょう?
IVF後の卵子の中には、精子が入り込んでいても第二極体を出していない卵子もあります。

 

 

そこにICSIを行ったら…わざわざ多精子受精をつくりだしてしまいます。

多精子受精卵子は、そもそも染色体数が正常でないため移植できません。

 

これはレスキューICSI特有のデメリットです。

この可能性もあるため、レスキューICSIを行うのは、完全受精障害が疑われる場合に限らせていただいています。
補足ですが、受精の兆候があっても、受精や分割が起きないこともありますし、レスキューICSIを行っても同じ事が起こりえます。

 

少し怖いお話をしましたが、もちろんレスキューICSIの受精卵でご妊娠いただいた方もいらっしゃいます。
レスキューICSIのメリット、デメリットをご理解いただいた上で納得のいく方法を選択していただけるよう、お役にたてればと思います。
 

以前の記事もご参照ください

当院におけるrescue ICSI(レスキューICSI)の実際 その①レスキューICSI

当院におけるrescue ICSI(レスキューICSI)の実際 その②レスキューICSIの流れ

レスキューICSIは有効?

ハナブロテーマ 「培養室より」

 

(文責:[胚培養士] 江口 素子 [理事長] 塩谷 雅英)