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5月のおはな

着床障害を改善?子宮内膜スクラッチ法について③ スクラッチで採取された内膜は

今回は子宮内膜スクラッチ法の効果を検証した研究を紹介をさせていただいており、

 

まずひとつめは、

Effects of endometrial injury on frozen-thawed blastocyst transfer in hormone replacement cycles.

(ホルモン補充融解胚移植における子宮内膜スクラッチ法の効果)

 

という研究で、当院の松本副院長が2017年にReproductive Medicine and Biology誌に発表したものご紹介しています。

 

前回は、妊娠率、出産まで至った割合ともにスクラッチをした方が高かったという結果についてお話ししました。

 

 

では、スクラッチにより妊娠の成績がよくなる理由としてどんなことが考えられるのでしょう。

 

 

この研究では、採取された組織の病理学的検討も行っています。

 

左が本検討で採取された組織ですが、右の一般的な子宮内膜の組織と比較すると、表面の層だけを採取している事が分かります。

 

子宮内膜自体は着床に必要不可欠な部分ですから、この絶妙な浅さが移植前の刺激として良かったのだろうと考えられています。
ということで結論としては
・移植前に行うスクラッチ法は妊娠率を向上させる。
でした。

 

なお、当院でもスクラッチ法は全例に行っている訳ではありません。

 

その理由としては、移植前にはSEET法やST療法といった子宮内操作による刺激を行う事が多いことや、移植前の周期に子宮鏡やポリープ切除などを行っていた場合はその効果が持続すると考えられているためです。
次回は当院の報告だけでなく、世界のスクラッチ法の研究をまとめたレビュー論文を紹介したいと思います。
 

関連する以前の記事もご参照ください

着床障害を改善?子宮内膜スクラッチ法について① 子宮内膜スクラッチ法とは

着床障害を改善?子宮内膜スクラッチ法について② 妊娠率はよくなるか

 

ハナブロテーマ 「子宮内環境」

 

(文責:医師部門 江夏 徳寿、理事長 塩谷 雅英)

 

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