はなぶさ ブログ

5月のおはな

受精の仕組み③  卵子が受精卵へと目覚めるのは、精子からのプレゼントがあるから

精子の重要な役割は、半数体の遺伝物質を運んでくることであるのは言うまでもありません。

 

でもそのほかにも、精子が持ってくるもの(プレゼント)があります。

第一卵割、つまり受精後、分裂して2細胞になるとき、2個の中心体(図1)が必要ですが、そのうちの一つは精子から持ち込まれます。

 

 

中心体を構成する素材は、精子の尻尾の付け根、頸部にあります(図2)。

これが卵子の第一卵割の時、染色体を束ねる中心体になるのです。

 

 

もう一つ、精子から持ち込まれるものとして、PLCζがあります。

ζはギリシャ文字で、ゼータと読みます。

精子にだけ存在する酵素の一種で、卵子のカルシウム濃度を上げる役割を持っています。

 

カルシウムは受精においてとても重要です。

カルシウムの濃度の上昇は何回も波が押し寄せるように起こり「カルシウムオシレーション」と言います。

この作用によって卵子は活性化し、受精卵として発育を開始します。

 

もし、受精した精子のPLCζの活性が不十分であれば卵子は発育できません。

その場合は人為的に補ってあげることが必要です。

精子から持ち込まれるプレゼントについてご理解いただきましたでしょうか。

次回は、精子から持ち込まれるけれど、あまりありがたくないものについてお話しします。
 

以前の記事もご参照ください

受精の仕組み① 射精直後の新鮮精子は卵子と出会っても受精できないって本当?

受精の仕組み②  なぜ多精子受精は起こるのか?

 

ハナブロテーマ「精子と卵子」

 

(文責:[研究開発部門] 長谷川 昭子 [理事長] 塩谷 雅英)

 

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