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5月のおはな

着床障害を改善?子宮内膜スクラッチ法について⑦ 海外論文の解析から~まとめてみると

子宮内膜スクラッチ法についてお話をしていますが、前回までは子宮内スクラッチ法の原理や、当院での研究論文について紹介してきました。

(その内容については下方のリンクよりお読みいただけます)

 

後半からは、世界のスクラッチ法の研究をまとめたレビュー論文をご紹介しています。
Endometrial scratch injury for women with one or more previous failed embryo transfers: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials

(移植不成功例における子宮内膜スクラッチ法:システマティックレビューおよびランダム化試験のメタ解析)
これまでいろんな角度からスクラッチ法の有効性を出産率で見てきました。

今回は出産率以外のアウトカムについて検討した結果についてお話しして、まとめてみたいと思います。

 

 

上の図は、出産率以外のアウトカムとして、妊娠率、流産率、多胎率、子宮外妊娠率を比較したものになります。

 

これを見ると、出産率と同様に妊娠率もスクラッチ群で1.34倍(95%信頼区間:1.07-1.67)と高いのに対して

流産率、多胎率、子宮外妊娠率は両群間で有意な差を認めていません。

 

なので、あくまで子宮内膜スクラッチは妊娠までの状態に影響を与えるもので、妊娠後は影響しないと考えてよさそうです。
まとめますと
・反復する胚移植不成功例において子宮内膜スクラッチ法は有効であった。
・スクラッチの方法や時期によって結果が変わる可能性があり、最適な方法を見つけるため今後更なる研究が必要。
ということでした。

 

ちなみに、内膜を傷つける事による合併症は特に報告されていないようでした。
子宮内をわざと傷つけるという手技なので、今後も慎重に検討する必要があるかとは思いますが、なかなか結果が出ない方にとっては検討する価値のある方法かと思います。
 

関連する以前の記事もご参照ください

着床障害を改善?子宮内膜スクラッチ法について① 子宮内膜スクラッチ法とは

着床障害を改善?子宮内膜スクラッチ法について② 妊娠率はよくなるか

着床障害を改善?子宮内膜スクラッチ法について③ スクラッチで採取された内膜は

着床障害を改善?子宮内膜スクラッチ法について④ 海外論文の解析結果から~出産率は

着床障害を改善?子宮内膜スクラッチ法について⑤ 海外論文の解析結果から~スクラッチ法の違いによる妊娠率は

着床障害を改善?子宮内膜スクラッチ法について⑥ 海外論文の解析から~どのような人に有効か

 

ハナブロテーマ 「子宮内環境」

 

(文責:医師部門 江夏 徳寿、理事長 塩谷 雅英)

 

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