はなぶさ ブログ

5月のおはな

育毛剤を飲むと勃起機能や性欲を弱める。やめても元に戻らない!?

以前、「育毛剤が精子に与える悪影響について」という記事でもご紹介しましたが、

育毛剤の中でも男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)を下げることによって脱毛を防ぐフィナステリドやデュタステリドといった薬剤は精子に悪影響を与える事が分かっています。

 

同様に、男性ホルモンが影響する性欲や勃起機能についても報告がありますので紹介したいと思います。
Persistent Sexual Side Effects of Finasteride: Could They Be Permanent?

(持続するフィナステリドの副作用:副作用は続くのか?)
この論文はアメリカのIrwig氏が2012年にJournal of Sexual Medicine誌に発表した研究です。
この研究ではフィナステリド内服後に性機能低下を感じた54人を対象として調査を行っています。

なお、対象となった方は40歳以下で性機能も含めて、生来健康な方のみが選ばれています。
 

 

早速結果を見てみましょう。

上の表は性機能障害スコアをフィナステリド内服前、内服後、中止後9-14か月後で評価したものです。

 

これを見ると、性衝動、興奮、勃起力、絶頂感、満足感といった全ての項目で性機能障害スコアが上昇している事がわかります。

この研究で大事な点は、内服中止後1年前後たっても性機能障害が改善していない点にあります。
従来フィナステリドが性機能障害を引き起こす機序としては、脳内でのテストステロンからのジヒドロテストステロンへの転換抑制によって活性型テストステロンであるジヒドロテストステロンの濃度が下がる事に起因すると考えられてきました。

 

しかし、それだけが影響するのであれば、内服中止後速やかに機能が回復するはずです。

この結果はフィナステリドが一時的なホルモン動態の変化にとどまらず、器質的な影響を与えている事も示唆します。

そのことについてはまた後日紹介したいと思います。
なお、この研究はフィナステリド内服後に性機能障害を自覚した方のみを対象とした研究ですので、全ての方にこの様な症状が出るわけではありません。

報告ではフィナステリドを内服した方の20%程に性機能障害が出現すると言われていますので、全く影響がない方も多くいると考えられます。
ただ、精子への悪影響も考えて、やはり妊活中は内服育毛剤はやめておいた方が良いでしょう。

ちなみにリアップなどは局所の血流を改善させる薬剤ですので問題ありません。
 

(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)

 

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