はなぶさ ブログ

6月のおはな

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その10 

初経(初潮)は、女児の人生の中で初めての性器(子宮)からの出血を指します。

昔はお赤飯を炊いてお祝いしたものだと聞いています。
初経はどういうメカニズムで起こるのでしょうか。もちろんホルモンが大きく関係しています。

そうです、エストロゲンとプロゲステロン、中でもエストロゲンが大きく関わっているのです。

 

エストロゲンがある程度以上の血中濃度になるとそれが低下しようが、その状態が継続しようが出血が起こります。

前者はこれまでお話しましたように消退性子宮出血と呼ばれ、後者は破綻性子宮出血と称されています。

初経は、消退性子宮出血として起こることも破綻性子宮出血として起こることもあります。
もちろんエストロゲンは卵巣で作られます。

卵巣がエストロゲンを作るためには卵胞に下垂体ホルモンであるゴナドトロピン(FSHやLH)が働き、卵胞を発育させる必要がありましたね。このゴナドトロピンですが、思春期前の女児では下垂体でまだあまり産生されず、したがって血中濃度も低いのです。

 

女児が10歳前後になってくると特にFSHが次第に上昇してきて卵巣を刺激するようになります。

すると卵胞が発育を始め、エストロゲンが上昇してくるのです。エストロゲンがある程度の血中濃度以上になると、消退性子宮出血か破綻性子宮出血という形で出血が起こります。これが初経です。
初経に先立ち女児では10歳ごろより乳房が発育を始めたり、身長が急激に伸び始めたり、お尻など体全体が丸みを帯びてきます。

これらもエストロゲンの作用によるものです。
このように思春期は、中枢すなわち視床下部や下垂体の活性化によるゴナドトロピンの産生と分泌の増加によって始まります。
現在の日本人では、初経はだいたい12歳前後に訪れます。ところが、60−70年前頃までは、日本人の初経年齢は15歳前後だったのです(図)。

これは世界的にも同じでした。

 

では、初経の起こる時期は何によって決まるのでしょう。

 

 

 

一般的には、身長や体重が一定のレベルに達すると初経が起こるとされています。

大体の目安は身長は150cm、体重は41−42kgとなっています。

このことは、女児の栄養状態が初経に象徴される思春期の発来に大きく関わっていることを意味します。

すなわち、その女児の栄養状態が良いと、身長や体重が早く一定のレベルに達して早く初経が訪れるが、栄養状態が悪いとそれが遅れ、初経も遅れることになります。

ですから、現在でも栄養状態の悪い地域や国では初経年齢が高いことが考えられます。
初経は、そのほとんどが排卵を伴わない子宮からの出血です。

普通、排卵は初経後1年から1年半ほどを経てから起こるようになると考えられています。

この間に女性の体は、妊娠し子供が育てられるような状態にじっくりと整えられていくのでしょうね。
 

以前の記事もご参照ください。

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その1 女性ホルモンとは

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その2 エストロゲンは男性ホルモンからできるって本当?

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その3 エストロゲンという名称の由来は?

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その4 エストロゲンとプロゲステロンは子宮にどのように働く

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その5 エストロゲンとプロゲステロンは子宮の入口でも働いている

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その6 分泌をコントロールするフィードバック機能について

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その7 月経周期における各ホルモンの役割

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その8 妊娠するとどうして生理(月経)がなくなるの?

知ってなるほどホルモンと月経のお話 その9 思春期と初経について

 

ハナブロテーマ 「 お薬の話」

 

(文責:[医師部門] 片山 和明 [理事長] 塩谷 雅英)

 

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