はなぶさ ブログ

10月のおはな

不育症の原因と治療について④ 免疫の調整による要因も!?

不育症について、原因やその治療についてお話しています、その第4回目になります。

(前回までの記事は下方のリンクよりお読みいただけます)

 

人には本来、体の中に異物が入ってきた時にそれを攻撃する反応が起こります。

この免疫の働きが不育症の要因となることがあります。

(自己抗体異常)
自己抗体異常とは、自分の体の細胞を自分の抗体で攻撃してしまう病態です。

本来、抗体は細菌などの異物に対して自分を守るために攻撃を行うものですが、自己抗体異常の場合は、自分の細胞に対して攻撃し、流産を引き起こすと考えられます。

 

この治療には以下のものがあります。

治療① 低用量アスピリン療法
月経周期の高温期(排卵後7日目頃)から低用量アスピリン(100mg)錠を1日1回、1錠内服します。通常妊娠27週末まで続けます。

治療②柴苓湯(さいれいとう)(漢方)内服療法 異常が判明しだい内服開始し、分娩前まで継続します。

喘息等でアスピリンが使用できない方の選択肢にもなります。

自己免疫疾患の可能性がある場合には専門科へご紹介し、ともに出産に向けて治療を行っていきます。

(同種免疫異常)
胎児の半分は父親の遺伝子由来ですので、胎児は母体にとって自分とは異なる遺伝子をもつ「異物」です。

妊娠時は母体側と胎児への攻撃を抑制(寛容)する反応が働き、妊娠が継続されます。
ところが、同種免疫異常の場合、攻撃が強すぎたり、寛容がうまく働かずに流産となることがあります。
主に、免疫に関与するヘルパーT細胞の検査(Th1/Th2)を行い、異常があれば免疫抑制剤のタクロリムスという薬を使用します。

今回まで、4回にわたって不育症の要因とその治療についてお話してきましたが、次回はそれらの検査の基本的な考え方についてお話したいと思います。
 

 

以前の記事もご参照ください

「不育症・着床不全外来」のご紹介

不育症 繰り返し起こってしまう流産について

不育症の原因と治療について① 内分泌の異常

不育症の原因と治療について② 子宮や感染症が要因となることも

不育症の原因と治療について③ 血液の固まりやすさも要因となります

 

 

文責:[不妊コーディネーター部門] 山本 健児  [理事長]  塩谷 雅英

 

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