英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

カウンセラー・ナースコラム

はなぶさコラムス

遺伝的要因から不妊のカウンセリングを行う遺伝カウンセラー、心の専門家である心理カウンセラーからお届けするコラムです。 遺伝カウンセリング、心理カウンセリングの予定はこちらからご覧頂けます。

遺伝:先の見えない不安(2009年5月)

 私たちは小さい頃から「努力は報われる」「あきらめなければ夢はかなう」と、
親からあるいは学校で教えられてきました。しかし、本当にそうでしょうか?
今の日本の社会を見れば、本人の努力だけではどうしようもないこともあることが、
少しずつ私たちの意識にも入ってきたように感じます。

 不妊治療においても、ご夫婦の努力と最善の治療がなされてもなお、
いかんともしがたいところがあります。
そのため出口が見えない不安を感じておられる方も少なくないようです。

 いつまで続ければいいのだろう…、
どこまでやれば赤ちゃんが授かるんだろう…見通しがたたないことで
「がんばろう」という気持ちがしぼんだり、自分を責めて落ち込んだりしがちです。

 治療中の一つ一つの出来事に一喜一憂する日々を過ごされている方に、
もし私が何か言葉をかけることができるとすれば何だろう、とずっと考えてきました。
ひとつ気づいた言葉がありました。それはお二人の患者さんとの相談を通してでしたが、
他施設での遺伝カウンセリングで出会う親御さんの姿を通してでもあります。
具体的には書くことは控えさせていただきますが、『自分を信じる』ということです。

 『自分を信じる』ということは、自分の能力や正しさを信じることではありません。
「私ってこういう性格」「私はこういう人間」と見えている“今の自分”だけでなく、“未来の自分”をも含みます。

私には受けいれられない、引き受けられない、と感じている状況であっても、
いろいろな出来事を通して痛みや悲しみを自分のものとして
経験した“未来の自分”なら受け止めていける、と信じること。
今は未熟で無理だけどきっとそうなれると信じれば、
今の「先の見えない不安」の心の置き場所もみつかるかもしれません。

 自分を責めずまた何かのせいにするのでもなく、
やってくる出来事をひとつひとつ逃げずに受け止めていきたい、
と私自身も『自分を信じて』いきたいと思っています。

そう考えると、未来の成長した自分が楽しみな気がするのです。

遺伝カウンセラー 松田圭子

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