診療・治療
男性不妊には、精子に問題がある場合だけではなく、勃起や射精に問題がある性機能障害も含みます。原因としては、精子を造る機能に障害がある、いわゆる造精機能障害が多いのですが、どこに問題があるのかを突き止めることが重要です。その原因によって、治療法も大きく変わってくるからです。
4階に男性不妊専門のメンズクリニックがオープン致しました。今まで治療を躊躇していた方も、場合によってはごく簡単な治療ですむことも多いのでぜひ早めに検査を受けることをお勧めいたします
精子を造る精巣自体の障害です。男性不妊の原因として最も多くみられ、全体の約85%を占めます。
造精機能障害の原因としては、特発性とよばれる原因不明のものや、精索静脈瘤、内分泌障害、停留精巣、ムンプス精巣炎、物理化学的因子、免疫性因子などが考えられます。
精液中に精子を認めない、FSH値が正常~高値で精路閉塞素因が見当たらず、さらに精巣容量の低下を認めることによって診断します。
精巣で造られた精子は精巣上体、精管を通過して射精されます。この通り道が炎症等によって詰まってしまうと、精子が外に出てこれない「閉塞性無精子症」や精子数が少ない「乏(ぼう)精子症」となります。
精路通過障害の原因としては、先天性のもの(CBAVD)、精路感染、射精管閉塞、鼠径ヘルニア手術、診断としては、精液中に精子を認めず、FSH値が正常値で精路の閉塞素因があり、精巣容量が正常であるといったことから変則的の無精子症、精路通過障害と診断します。
男性不妊の1割程度にみられます。性欲の低下、勃起障害、射精障害、逆行性射精や膣内射精不能があります。
性機能障害の原因としては、ストレスや過去の性行為の失敗などの心因性のものが多いですが、糖尿病、内分泌異常や骨盤神経障害などによっても起こりえます。
ほとんどの場合、問診によって診断できます。勃起不全(ED)は性機能障害の9割を占めます。心理的要因、技術的要因によるものが多いです。逆行性射精に関しては内尿道口の閉鎖不全により膀胱内に逆行してしまいます。糖尿病、脊髄損傷などが原因になります。膣内射精不能に関しては、射精自体は可能でありますが、膣内で射精が出来ない状態をいいます。誤ったマスターベーションなどによるものが多いです。
精嚢、前立腺の炎症が原因で、精子の運動能が低下した状態を言います。結核菌、クラミジアなどの精路感染などが原因となりえます。
副性器機能障害の原因としては、クラミジアなどのSTD、マイコプラズマ、結核菌、サイトメガロウィルスなどの精路感染があげられます。
精液中に白血球の量が増加し、精子の運動性を低下してしまう状態、いわゆる「膿精液症」によって診断します。
もしくは前進する精子が50%未満または高速運動精子が25%未満の「精子無力症」となります。
精巣で、精子が殆どつくられていない、もしくは全くつくられていない非閉塞性無精子症の治療法は精巣より精子を回収し、それを用いて顕微授精を行う方法があります。
顕微鏡下で精子が存在しそうな拡張した太い白濁した屈曲している精細管の組織を採取します。採取した精巣組織は、体外受精用の顕微鏡で再度精子の有無を確認します。精子が十分見つかれば、切開創を縫合して手術を終了します。精子が見つからない場合は、追加採取や反対側の精巣を新たに切開し、さらに検索することもあります。組織から精子が抽出された場合、顕微授精をおこないます。また組織は凍結保存します。手術は局所麻酔で、日帰り手術でおこないます。
このTESEという最新の治療法で、以前なら諦められていた非閉塞性無精子症の男性においても子供を持つことが可能となりました。
初診料に含まれます
精巣、精巣上体、精管を診察します。精巣の大きさ、かたさ、精索静脈瘤の有無がたいせつです。
下垂体から分泌されるFSH・LH・プロラクチン精巣から分泌されるテストステロンなどの検査
陰嚢部にゼリーをつけて超音波のプローベにて精巣容積測定、精巣の性状、精索静脈瘤の有無などを診察します。
高度の乏精子症や無精子症の場合にお勧めしています。
クラインフェルター症候群、ロバートソン転座染色体異常の有無がわかります。
精子を染色することにより、精液の中のDNA損傷精子の割合を測定する検査になります。
高度の乏精子症や無精子症の方はできません。