英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

理事長コラム

はなぶさコラムス

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

第39回 卵管不妊は日帰り手術の時代に—卵管鏡下卵管形成術(2009年3月)

卵管は妊娠の成立に関わる重要な部分、とても繊細な役目を果たしています。すなわち卵管は卵巣から排卵された卵子をキャッチして取り込み、精子と卵子が巡り会って受精する場所となります。また受精卵を育てるのも卵管の役目です。

ところが最近この卵管が傷んでいるために不妊症となっている方が増えており、不妊原因の1番を占めています。細菌やクラミジアなどによる感染症や子宮内膜症など卵管に障害を起こす原因はたくさんあります。まずは予防することが大切ですが、傷んでしまったら・・・。現在では考えられる治療法としては、傷んだ卵管を治そうとする方法(手術)と、卵管を使わないで妊娠しようとする方法(体外受精)の二つが中心となるでしょう。

後者の体外受精が先端不妊治療として華々しく脚光をあびている中で、やはりできれば自然に妊娠したいという思いが常に我々の(また皆様の)中にあります。体外受精での妊娠の場合には、二人目を望んだ場合にもやはり体外受精となりますが卵管を治して自然な妊娠が成立すれば、二人目も自然にできる可能性があります。

そんな中で最近注目されているのが、先端医療の手術である卵管鏡下卵管形成術(FT法:falloposcopic  tuboplasty)です。手術といえば、従来の方法では入院による開腹手術(腹腔鏡)が中心でした。しかしこの卵管鏡下卵管形成術は、日帰り手術が可能です。卵管鏡下卵管形成術に用いられる卵管鏡は、円筒状の伸長性バルーンカテーテルとその内側に毛髪ほどの細さのカメラを組み込んだシステムで、卵管内腔を直接観察しながら治療することが可能です。

さらに卵管鏡下卵管形成術は低侵襲であり日帰り手術が可能となっています。手術中は簡単な麻酔を施しますので、痛みも殆どありません。また保険診療でもあり費用面でもとってもメリットがあります。

治療成績は、卵管の開口は80~90%以上に確認され、術後の妊娠率も非常に良好です。体外受精しか妊娠の方法が無いと診断された方でも卵管鏡下卵管形成術にて自然妊娠の可能性が高まります。

あなたがもし卵管に問題があるために体外受精を勧められているとすれば卵管鏡下卵管形成術は非常に有効な治療法かもしれません。体外受精を検討する前にトライしてみる価値は充分にあります。一度相談にこられませんか?

院長 塩谷雅英

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