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漢方・ヨガ・アロマの部屋

はなぶさコラムス

不妊体質の改善の方法の中でも漢方・ヨガ・アロマについて取り上げていくコラムです。 体質改善ページの詳細はこちら

第9回 精油の価格の本当の話(2005年11月)

精油売り場で「ラベンダーとローズ、なぜこんなにお値段が違うの?」と疑問に感じたことはありませんか?

価格に差が生まれる原因は生産量の差などいろいろありますが、採油率も原因のひとつです。採油率というのは、原料の芳香植物からどれくらい精油が採れるかというものです。今日はその採油率にまつわるお話をしていきましょう。

植物から抽出される精油の量は、植物の種類によってかなり差があります。ラベンダーの採油率は0.5~0.85%で、1kgの精油を抽出するのに約 200kgのラベンダーが必要という計算になります。レモンは0.2~0.3%、ユーカリは2%、サンダルウッドは4.5%といったように、採油率にはか なりのばらつきがあります。

ローズの採油率は低く、0.02~0.03%です。1kgの精油抽出のために、なんと約5,000kgのバラの花びらが必要になるのです。もっとわかりやすく いうと、ローズの精油1滴を得るのに、約50本分の花びらが必要という計算になります。ローズの精油が非常に高価な理由はこの採油率の低さと、栽培と収穫 の手間にもあります。原料のダマスクローズは太陽の光が当たると、花に含まれている精油分が気化してしまうため、最も精油の含有量が高くなる早朝に、手で 摘み取り、すぐに水蒸気蒸留にかけるそうです。

ジャスミンも高価な精油のひとつですが、採油率は0.1%と、グレープフルーツと同じくらいです。しかしジャスミンの年間生産量は世界中総計しても5~6トンほどのため、高価な精油となっています。またジャスミンの収穫は、早朝に摘み取られるローズとは逆で、夜間にたくさんの人手を使って摘み取られます。これ は日没後にジャスミンの花の内部で化学的変化が起こって香りが強くなるからだそうです。

このようによりよい精油を抽出するため、農家の方々が摘み取りの時間にまでこだわったものが、私たちの手元にあると思うと、精油一滴一滴がとてもありがたく、いとおしく思えてきますね。

*執筆* 
アロマケアルーム「ナチュラルフローラ」
AHCP認定プロフェッショナルアロマセラピスト
清水 佐和子

 

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