不妊治療の知識

1月のおはな

超音波検査(初診時の検査)

検査の方法

超音波画像で子宮や卵巣を調べる検査です。プローベを膣内に入れる方法(経膣)と、おなかに当てる方法(経腹)とがあります。痛みはなく、初診以降も様々な時期に行います。

超音波検査でわかること

まず、子宮形態異常、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣腫瘍、卵管留水腫などです。卵巣腫瘍としては、不妊症と密接な関係があるチョコレート嚢胞が重要です。超音波検査では、チョコレート嚢胞以外の子宮内膜症の診断は容易ではありません。
卵巣そのものの観察も大切です。卵巣にたくさんの小嚢胞がみられる場合は、多嚢胞性卵巣といいます。排卵が起こりにくい原因として、この多嚢胞性卵巣が最も重要です。
多嚢胞性卵巣の患者さんに排卵誘発治療を行うと、卵巣過剰刺激症候群となることが多いので注意が必要です。従って、排卵誘発治療を行う前には、必ず多嚢胞性卵巣かどうかを知っておく必要があります。

超音波検査で排卵の時期がわかる

さらに超音波検査は、排卵の有無や、排卵のタイミングを知る上でも重要です。自然周期では、通常、片側の卵巣に1個の卵胞が発育し、直径が21ミリ前後になると破裂し、排卵が起こります。
破裂した卵胞は黄体へと変化します。これらの卵胞の発育、破裂、黄体への変化は、超音波検査によりつぶさに観察することができます。
「また、排卵直後には子宮の後ろのダグラス窩と呼ばれるところに卵胞液がたまっている様子を観察できることがあります。
卵胞の発育に同調して、子宮内膜も発育、成熟します。月経直後には子宮内膜は大変薄くなっていますが、徐々に厚くなり、排卵の頃には10ミリ前後になります。排卵前の子宮内膜は、白い3本の線に縁取られた黒い木の葉状に見えますが、排卵後は全体が白くなります。このように子宮内膜の厚さや見え方から、排卵の時期を推定することも可能です。しかし、子宮内膜がなかなか厚くならない患者さんや、木の葉状にならない患者さんもあります。排卵期になっても子宮内膜が7ミリ以上にならない患者さんや木の葉状にならない患者さんは、妊娠しにくいのが現状です。