英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

理事長コラム

はなぶさコラムス

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

第12回 多嚢胞卵巣症候群(PCO)について (2005年9月)

今回は排卵が起こりにくくなったり、生理不順、ひいては不妊症になったりする原因として一番多い、多嚢胞卵巣症候群(PCO)に対する新しい治療法についてお話します。PCOは不妊症の原因となるだけではなく、ニキビや肌荒れ、肥満などの原因となることもあります。これは、PCOの患者様では、女性ホルモ ンを作るはずの卵巣が男性ホルモンを少し多めに作ってしまうためです。当院の不妊外来を受診される患者様にも多く見受けられます。妊娠を望む場合の治療は 排卵誘発剤の飲み薬や注射薬を使用することになりますが、近年糖尿病のお薬が排卵を促進することが知られ注目を集めています。これはビグアナイド系の飲み 薬で、インスリンの作用を高め、体内のインスリン濃度を低下させます。その結果、卵巣からの男性ホルモンの分泌が減少し、排卵がうまく起こるようになるの です。糖尿病ではないのに糖尿病のお薬を内服することにはとまどいを感じられるかも知れませんが、排卵誘発剤を使ってもうまく排卵が起こらない場合や、なかなか妊娠につながらない場合には是非お勧めしたいお薬です。

執筆:院長 塩谷 雅英

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