【目的】
ルティナス®膣錠が承認され、国内で使用可能となった。当クリニックでは凍結融解胚移植後の黄体ホルモン補充としてカプセルタイプのプロゲスタン®膣座薬(以下カプセルと称す)を使用しているが、ルティナスに対する患者の使用感を知り、今後のケアに役立てるためにアンケートを実施した。
【方法】
2015年1月~2016年4月に初回ルティナス使用患者に対して凍結融解胚移植周期13~15日目に同意を得た上でアンケートを配布し、121名より回答を得た。ルティナス膣錠は周期15日目から400 mg(1回100 mg)に分けて使用した。
【結果】
年齢38.0歳、移植時P4平均13.1ng/ml、妊娠判定時P4平均12.8ng/ml、臨床妊娠率43.0%であった。カプセルの使用経験ありが95.9%であり、カプセルとルティナスかどちらが使用しやすいか聞くと「ルティナスの方が使用しやすい」と返答した人は91.4%いた。その理由は「外出先で使用しやすい」「手が汚れないので衛生的」「奥に入っている気がした」などであった。反面カプセルを選択した人は「痛みが少ない」「持ち運びに便利」「アプリケータのセットが手間だった」などであった。また、ルティナスについては「薬が出てくるのが気になった」75.2%、「おりものが多くなった」65.3%、「薬を入れる時の痛みがある」19.8%と以前カプセル使用時のアンケートと同様の結果であり、挿入前のアプリケータからの錠剤の落下は10.7%、挿入忘れは16.5%みられた。
【考察】
カプセルとルティナスを比較するとルティナスの方が使用しやすいという人が多くみられた。薬が出てくる状態や挿入時の痛みは以前研究したカプセル使用時のアンケートとほぼ同様の結果となったが、奥に挿入できる点や衛生面でよいとの評価がみられた。今後、ルティナス使用時の効果と正しい使用方法について説明していきたい。