英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第35回 日本受精着床学会総会・学術講演会

  • 形態不良胚盤胞移植の妊娠予後調査
  • 2017年7月20日(木)~21日(金)米子コンベンションセンター
  • 第35回 日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 佐東春香、角本知世、古橋孝祐、辻優大、大月純子、岩﨑利郎、伊藤宏一、水澤友利、

    松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英

【目的】

形態不良胚盤胞は、妊娠率が低く流産率が高いことから移植の優先順位を低く評価されることが多い。その一方で、実際の臨床の現場では他に選択する胚がない場合、患者に説明し同意を得た上で形態不良胚盤胞を移植することは少なくない。しかしながら、患者が不安視する出生児の先天異常まで調査した報告は少ないのが現状である。そこで本検討は、形態不良胚盤胞(Gardner分類<G3BB)を移植した周期で出産に至った児の先天異常の割合について調査し、形態良好胚盤胞(≥G3BB)に由来する児における先天異常の割合と比較することで、胚盤胞の形態評価と児の先天異常との関連性について調べた。

【方法】

2011年1月~2014年12月に、当院で単一凍結融解胚盤胞移植を行った5022周期(<G3BB群;2233周期、≥G3BB群;2789周期)を対象とした後方視的検討を行った。なお、検討に用いた胚盤胞は採卵後5日目に胞胚腔を認めた胚とし、臨床妊娠は子宮内に胎嚢の確認ができた周期とした。胚盤胞の形態評価は凍結時に行い、<G3BB群と≥G3BB群における臨床妊娠率、流産率、出産率、ならびに児の先天異常率について比較検討を行った。

【結果】

<G3BB群、および≥G3BB群において、臨床妊娠率(29.7% vs. 53.5%; p<0.001)、出産率(21.2% vs. 41.7%; p<0.001)に、それぞれ有意な差が認められた。また<G3BB群では≥G3BB群に比べて流産率(27.0% vs. 20.6%; p=0.0012)が有意に高いことが示された。一方、先天異常率(1.1% vs. 2.0%; p=0.27)に差はなく、また先天異常の内容(口唇口蓋裂、多指症、水腎症など)に偏りはないことが明らかになった。

【結論】

形態不良胚盤胞の移植成績は形態良好胚盤胞と比較し、臨床妊娠率および出産率が低くなるが、児の先天異常率に有意差は認められなかった。

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